ICANN一般会員(アットラージ)諮問委員会
ローマ会合活動報告

2004年3月

 

アジアネットワーク研究所

 

 

 

目 次

はじめに
  1. ALACの目的・構成
     ALACの任務
  2. ローマ会合までの活動経過
     ALSの認定
     ALSの認定基準
  3. APRICOTクアラルンプール会合
  4. ICANNローマ会合でのALACの活動
     ALAC内部会合
     地域別の組織化状況
     ヨーロッパ
     アフリカ
     アジア太平洋
     活動予算の増額
     他グループとの協力 AtLargeの存在意義を認識して
  5. ポリシー問題への取り組み
     レジストリーによる新規サービスについて
     WSIS
     WSISワークショップの開催
     ITUワークショップ
     WHOISデータベース

参考資料
ローマ会議 AtLargeアジア太平洋地域会合 議事録
ITUワークショップ 「インターネット・ガバナンスへのネティズンの参加を」

 

はじめに

 本報告書は、ICANNの一般会員制度の動向について、2004年3月に開催されたICANNローマ会合に参加し、アット一般ラージ会員諮問委員会(AtLarge Advisory Committee=ALAC)の活動を中心に情報を収集し、当事者への面談を含めて調査した結果をまとめたものである。

 なお、クアラルンプールで2月に開催されたAPRICOT04会議にも参加し、アジアにおけるAtLargeの活動動向について、情報収集を行った。

 AtLargeは、ローマ会合では、これまで以上に活発な活動を行った。RALOの設置は相当の難関とみられ、予断は許さないが、ポリシー問題、WSISなどへの取り組みを通して、ICANNの理事会、他のグループの理解も進んでおり、着実な前進をとげてきたといえる。

ALACの内部会合 ALACアジア太平洋地域会合
WSISワークショップ パブリック・フォーラム

 

1.ALACの目的・構成

 ALACは、ICANNの活動に個人利用者の参加を促進するために、ICANN理事会が設置を決定したもので、2003年1月、理事会により初期暫定委員10名が任命され、同年6月、指名委員会が残り5名の委員を選任して成立したものである。現在のALACは、RALO(地域AtLarge組織)の確立・組織化それ自体を中心的な目的とする、暫定的な性格をもち、活動を続けている。

 ALACは、ICANNの5地域から各3名、合計15名で構成されている。現在のALACの委員は、以下の通りである。このうち、* 印が付いている委員は、指名委員会から選出された委員で、その他は、理事会が任命した暫定委員である。

表 1 ALACの委員一覧

地 域

氏 名

今回参加
アフリカ  ピエール・ダンジヌー  Pierre Dandjinou ベニン ×
クレメント・ジドヌー  Clement Dzidonu ガーナ
サンデー・フォレイアン  Sunday FolaYyan * ナイジェリア
アジア太平洋 会津 泉  Izumi Aizu 日本
シュー・ホン  Xue Hong 中国
松本敏文  Toshifumi (Tommy) Matsumoto * 日本
ヨーロッパ ビットリオ・ベルトーラ  Vittorio Bertola イタリア
トーマス・ロッセラー  Thomas Roessler ドイツ
ロベルト・ガエターノ  Roberto Gaetano * イタリア
中南米/カリブ海 エリック・イリアルテ・アホン  Erick Iriarte Ahon ペルー ×
セバスティアン・ J ・リッチアルディ
Sebasti_n J. Ricciardi *

アルゼンチン
タダオ・タカハシ  Tadao Takahashi ブラジル
北米 エスター・ダイソン  Esther Dyson アメリカ ×
ウェンディ・セルツァー  Wendy Seltzer アメリカ ×
ケン・ハンマ  Kenneth Hamma * アメリカ ×

 現在の委員長は、イタリアのビットリオ・ベルトーラ氏で、副委員長がガーナのクレメント・ジドヌー氏で、互選により選ばれたものだが、任期は確定していない。

ALACの任務
 現在のALACは、暫定的な性格をもち、地域組織(RALO)の確立がその主たる任務といえる。そのために、ALACは、RALOを構成する基本組織であるALS (At-Large Structures)の要件を定め、申請を審査し、認証を行う。同時に、全世界の個人利用者に対して、ICANNについて関心を高め、ALSおよびRALOの形成を促進するための広報活動を行う。

 これらのRALOの形成・組織活動に加えて、ICANNの様々な分野の活動に対して、必要に応じてアドバイスを行うこともALACの任務である。ICANNの指名委員会に5名の委員を推薦すること、理事会や各種の委員会、タスクフォースにALACから委員を出すことも、ALACの任務である。

2.ローマ会合までの活動経過

ALSの認定
 ALACに対してALSの認定を求めて申請した団体は、2003年12月までに、計12団体に達した。これに対して、ALACでは、地域別に審査を行い、その結果、2003年12月16日、3地域の6団体を第一次のALSとして認定した。

 また、2月23日には、第二次のALSとしてアフリカの3団体、ヨーロッパの1団体、計4団体を認定した。

 現在、4地域から計7件が申請を受付け、審査中となっている。

表2 認定されたALS( 2004年3月現在)

地 域

団体名

(本部)

アジア太平洋 アラブ・ナレッジマネジメント協会( AKMS ) ヨルダン
ヨーロッパ インターネットソサエティ・イタリア
支部情報技術・社会促進協会( FITUG )
インターネットソサエティ・ルクセンブルグ支部
インターネットソサエティ・フィンランド支部
インターネットソサエティ・ブルガリア支部
イタリア
ドイツ
ルクセンブルグ
フィンランド
ブルガリア
ラテンアメリカ アルファ・レディ ペルー
アフリカ スーダン・インターネットソサエティ
アナイスAC
モロッコ・インターネットソサエティ
スーダン
カメルーン
モロッコ

 

表3 申請中のALS(2004年3月現在)

地 域

団体名

(本部)

アジア太平洋 インターネットソサエティ・バスデイ・クトゥンブクム
インターネットソサエティ台湾支部
アットラージ@チャイナ
全国情報インフラ産業促進協会
インド
台湾
中国
台湾
ヨーロッパ インターネットソサエティ・カタロニア支部 スペイン
ラテンアメリカ コスタリカ情報化協会 コスタリカ
アフリカ インターネットソサエティ・コンゴ コンゴ

 これらの団体のなかには、一国内の活動をしているものだけでなく、アラブ、アフリカなどで数カ国以上にわたる地域での活動を行っている組織もある。

 ヨーロッパでは、インターネットソサエティ(ISOC)の支部からの参加が目立っている。その他の地域では、「情報社会」関連の活動を行っている市民団体などが多い。

ALSの認定基準
 ALACでは、ALSとして認定するための最低限度の条件として、以下を定めている。

  • インターネットの個人利用者がICANNの活動をよく理解した上で参加することを責任をもって支えること。そのために、個人利用者にICANNの活動と課題についての情報を、インターネットを活用して提供すること。個人利用者をICANNのポリシー開発、検討、決定に関与させること。
  • 当該ALSが存在する、ICANNが定める地域内の国籍をもつかまたはそこに居住する市民である個人利用者が優位をもつ参加が実現できるように組織されていること。
  • 他の組織でも、その地域における個人利用者の利益に沿った活動を支えるものを認定することができる。
  • 財政的に自立していること(ICANNの資金に依存しないこと)
  • インターネット上に(ALACまたは別のウェブサイトに)、そのALSの目的、組織構成、構成会員、活動の仕組み、指導者、連絡先についての最新情報が公開されていること。
  • RALOがその機能を果たすための活動を支えること。

 ALACでは、ALSの認定にあたっては、原則として「ハンズオフ」アプローチ、すなわち基本的な事実についての確認は行うが、それ以上厳密な調査は行わず、申請の内容は申請者を信頼する、という方針をとることとした。これは、世界中の様々な団体の具体的な活動内容を実際に詳しく調査することは時間的にも費用的にも困難であるという、主として実務上の制約からくる判断である。

 同時に、かりにICANNのAtLargeの本来の趣旨に反するような性格の団体であれば、他の団体などからの異議が申し立てなど、事後的な形でもチェックが可能であると考えてのことである。その団体が適正なものであるか否かは、ICANNの活動に実際に参加し、地域組織を形成する過程で、ICANNコミュニティによってあらためて確認できるとの考えである。

 ALS認定は、ALACの委員による投票で決められ、合計15名の委員から10票以上を獲得すれば認定される。

3.APRICOTクアラルンプール会合

 APRICOT(Asia Pacific Regional Conference on Operational Technologies)は、アジア太平洋地域のインターネット関連の諸団体が合同して開催する「地域サミット」という性格をもつ会議で、1996年、シンガポールでの第一回開催以降、毎年アジア各地で開かれてきた(表 4)。

表4 APRICOTの開催地

   国・地域  主な支持組織
1996年  シンガポール  APNIC SingTel
1997年  香港  APNIC HK SuperNet
1998年  マニラ  フィリピンプロバイダー協会
1999年  シンガポール  SGNIC SingTel
2000年  ソウル  KRNIC
2001年  クアラルンプール  PIKOM
2002年  バンコク  NECTEC
2003年  台北  TWNIC
2004年  クアラルンプール  PIKOM
2005年  京都(予定)  IAJ JPNIC JP CERT他

 APRICOTは、当初は有志による「実行委員会」形式で開催され、資金的にはAPNICが保証しつつ、参加費と企業スポンサーによる協賛金で運営されてきた。しかし、途中からAPNICの保証はなくなり、開催国の主催組織による運営方式をとってきた。

 その後、2002年よりAPIA(Asia Pacific Internet Association)が法的な責任をもつ方向で関与を始め、2003年に正式に両組織が「合併」し、APRICOTはAPAIによって開催される形となり、事務局はマレーシアのPIKOMが担当することとなった。

 APRICOTは、当初は商用インターネットの開始時期に、ネットワークの運用技術の共有、訓練を目的とした技術的な性格が濃いものであったが、実際には、アジアのインターネットの主要な関係者がすべて集まる会議となったために、ビジネスを発展させるための交流、さらにドメイン名など、ポリシー問題についての会合も開催され、アジアにおけるインターネットコミュニティ全体のイベントという性格をもつようになった。

 ICANNとの関係も深く、1999年2月のシンガポールでのAPRICOT会議は、前年秋に設立されたICANNの第一回の会議を誘致し、並行して開催されることとなった。

 APRICOTは延べ二週間にわたる長期の会議で、技術関連のチュートリアル、ワークショップに加えて、APNG、APNIC、APTLD、APSTARなど、アジアのインターネット関連の主要な諸組織がそれぞれ独自会合も開催する。

 AtLargeに関しては、APRICOTを構成してきた主要組織であるAPNGが、内部にAtLarge委員会を設置して、アジアにおけるALSの活動支援とRALO設置に向けての取り組みを開始している。また、複数組織の連絡会議であるAPSTARにおいても、AtLargeに関する情報交換がおこなわれてきた。

 今回のクアラルンプール会議においても、APNGが、AtLarge委員会を開催した。日本、韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポールなどから10名が集まり、ICANN全体のAtLargeの状況について、松本、会津の両ALAC委員から説明を行い、ALSの状況、今後の方向性などについて情報交換、意見交換を行った。

 なお、APNG AtLarge委員会の当初のメンバーは、以下の通りである。

Izumi Aizu (Japan), Co-Chair
Ji-Yul Yoo (KRNIC) Co-Chair
Kapil Chawla (India)
Ching Chiao (Taiwan)
James Seng (Singapore)
Hong Xue (China)
Tommy Matsumoto (Japan)

 

 また、APSTAR会合においても、松本、会津より、AtLargeの状況について同様の報告を行い、情報交換を行った。
 関連して、APNGおよびAPSTARの双方の会合において、世界情報社会サミット(WSIS)におけるインターネット・ガバナンスの議論の模様を紹介した。

 

4 ICANNローマ会合でのALACの活動
 ALACは、次表のように、ローマ会合の期間中に各種会合を開き、パブリック・フォーラムにおいて理事会に対してその活動経過を報告した。

表 5 ローマ会合におけるALACの主な活動・会議

3月1日 午前

    午後

ALAC内部会合
ヨーロッパ 地域会合
ALAC内部打合せ
2日 午前


午後
アジア太平洋 地域会合
ALAC内部会合
IP、ISP、ビジネスジョイント会議参加
ALAC公開会合
NCUC(Non Commercial Users Constituency) との合同会合
3日 午前


午後
ICANN CEO ポール・トゥーミィ氏との会合
GNSO PDP Workshop 参加
GNSO WHOIS  Workshop 参加
ALAC内部会合 ジェフリーICANN法律主任との打合せ他
4日 午前
午後
午後 WSISワークショップ(共催)
パブリック・フォーラム参加
5日 午前
午後
パブリック・フォーラム参加 ALAC活動報告
ALAC内部会合 ICANN VP ポール・バーホーフ氏との会合
6日 午前 理事会(傍聴)

ALAC内部会合
 今回のローマ会合には、合計15名の委員のうちの10名が参加した。北米からは一名も参加せず、アフリカは1名のみの参加で、中南米からは2名、アジアおよび地元ヨーロッパはそれぞれ3名の委員全員が参加できた。

 ALAC内部会合では、各地域のALSの申請・審査状況、RALOへの展望に始まり、ALAC内部の意思決定方法、各種仕事の役割分担、ICANN本部への予算要請、一般への広報のあり方、ICANNの直面するポリシー問題(新gTLD、WLSサービス、ベリサイン社の訴訟への対応など)への対応などについて、幅広く討議を行った。

 率直にいってボランティアの集まりであるALACは、資金、人員の両面から、与えられた課題を達成するための体制が十分整っているとはいえず、機動力に欠けているのが現状であるといわざるをえない。ICANNによって用意されたスタッフ1名も、十分に機能しているとはいえず、今後の活動のあり方について、委員長のリーダーシップの取り方、副委員長の役割、委員長専任の秘書的なスタッフの必要性など、様々な観点からの議論が行われた。

 ALACとしての「広報活動」のあり方も検討された。現在のALAC関連のメーリングリストについて、内部専用の非公開リストが主な連絡・相談のリストとなってしまった現状への反省をこめて、よりオープンなリストへの公開討論をすべきだとの発言もなされたが、すべてを公開してしまうことへの抵抗も根強く、現在のウェブサイトの見直しが必要なことも含めて、ウェブローマ会合終了後も継続して検討することとし、結論はKL会議へ持ち越されることとなった。

 今後の活動の体制は、予算とも関連することから、地域別に新年度(ICANNの会計年度は5月から開始となる)予算を立案することを確認した。これには、ALAC委員の旅費、活動費をはじめ、地域での広報活動を推進するのに必要な費用が中心である。

 なおALACは今回初めて、会期中を通じて固定した部屋の割当を受け、常時会議を開ける体制をもつことができた。これによって、時間的にも内容的にも、より密度の濃い討議が可能となり、相互理解も進むようになった。

地域別の組織化状況
 ALACの地域別の組織化状況について、以下のように報告された。

ヨーロッパ
 ヨーロッパは、昨年秋のチュニジア会合の際には、5地域のなかではもっとも活発にAtLargeに取り組んでいるといえた。そのときには、ローマ会議のときにかなりの数のALSが出揃い、クアラルンプール会議ではRALOの発足までこぎ着けられるのではという見方も強かった。

 しかし、残念ながらこれは希望的観測に終わり、実際にローマ会議に集まったヨーロッパのALSは、ALAC委員以外はほとんどなく、低調であった。

 ヨーロッパでALSの組織化のための広報を中心的に担当したロベルト・ガエターノ氏は、ヨーロッパで様々な組織にICANNとAtLargeについて説明し、ALSへの申請を呼びかけても、反応は芳しくないと報告した。

 ただし、ヨーロッパですでにALS認定を受けた団体は、5団体と、全体の半分を占め、世界全体では依然として先行している。ICANNの規約上は、最低で2カ国・3団体以上がそろえば、RALOの設置は可能といえるが、実際には、現在の5団体でも、ヨーロッパの個人利用者を十分に集めたとはいえず、日程的にも再検討が不可避となっている。

 今後は、さらに広報活動を強化する一方で、「RALO設置グループ」を形成して、早期のRALO設立への活動に取り組む予定である。

アフリカ
 アフリカのALACメンバーも、チュニジア会議の際には、ICANNケープタウン会議が開催される2004年12月を期してアフリカRALOを設置することを目標とすると、楽観的な見通しを明らかにしていた。

 前回のチュニジア会議には、国連開発計画(UNDP)がとくにアフリカからのメンバーへの旅行資金の援助を行ったことが大きく、この資金を受けた10名を中心に、アフリカの人々を対象としたICANN全般についてのオリエンテーションを開催するなど、積極的な活動だった。ところが、今回は、ALACの委員も一名のみの参加で、AtLargeとしての地域会合が成立せず、ケープタウン会議でRALOを設置することは、実際問題とかなり困難になってきたが、それでも、RALOの連絡会議は設置されており、今後、広報活動を強化し、ALSの数を増やし、12月のケープタウン会議の際にRALOを設置するか、少なくともその手続きの開始に漕ぎつけたいとしている。

アジア太平洋
 アジア太平洋の地域会合は、今回のローマ会議では、ヨーロッパより人数が集まり、一定の盛り上がりを見せたといえる。とくに、中国から、アットラージ@チャイナがALSとして申請したことを受けて、5名が参加したのが大きかった。他には、日本、韓国、香港から各2名、台湾からも参加があった。ただし、東アジアのみで、東南アジアや南・西アジアなどからの参加はなかった。

 会合では、中国、日本、韓国、香港から、それぞれALSの申請状況などの報告がなされ、今後の展望が語られた。

 とくに中国は、昨年、中国インターネット協会が支援してユーザー組織、アットラージ@チャイナを設立したものだ。このアットラージ@チャイナについては、2月に北京を訪問した際に、会長、副会長らに面会して簡単に事情を聞くことができた。現在の会員数は180名余、中国全土に広がっており、その組織化には、中国の二大電話会社の一つであるチャイナ・ネットコム(CNC)が協力し、事実、アットラージ@チャイナの会長にはCNCのマーケティング部門の責任者であるツオ・フェン氏が就任し、CNC社の顧客担当組織が機能したという。副会長には、中国のドメイン名紛争処理センターの事務局長でもあるリー・フー氏が、そして事務局長には中国インターネット協会のスン・ヨンゲ氏が、それぞれ就任している。

 ローマには、このうちのスン氏が、ALAC委員のホン・シュー氏、さらに科学院高性能物理研究所のズー・ロンシェン氏、ネットコムのフェン・グオゼン氏、インターネット協会のリー・ガオヤ氏が参加した。

 これまでにALS申請が出ているのが中国(1)、台湾(2)、インド(1)の4団体で、今後、日本や韓国などから早期に申請が出ることが望まれるが、容易ではない。タイやインドネシア、シンガポール、マレーシアなども、インターネットについては普及しているものの、国際活動に参加するのは、経済的にもハードルが高く、AtLargeへの関心、参加することの必要性への認識も、まだまだ弱いといえる。

 台湾では、TWNICが事務局を務めるインターネットソサエティ台湾支部と、国家情報インフラ産業振興協会という、2つの組織がALS申請を出した。後者は産業界の団体という性格が強いが、個人会員を中心に、インターネットの個人利用者の立場からの関与を行うと表明している。

 また、アジアのインターネットの結集組織としてのAPRICOTにおけるAPNG、APSTARなどの取り組みについても報告がなされた。APNGは、2003年8月の釜山会合で、AtLarge委員会を発足させ、APRICOTでも会合をもったが、その結果が、台湾からのALS申請に結びついたといえる。

 日本からは、日本およびアジアでのALS、一般会員組織化への取組方法について、関係者有志による検討を始めようとしている旨の報告を行った。

 なお、チュニジア会合に続いて、ローマでも北米および中南米の地域会合は開催されず、活動報告も行われなかった。北米は依然としてAtLargeへの関心は低い。アメリカには、プライバシーやコミュニケーションの自由など、情報社会における政策課題に取り組む有力なNGO、市民活動団体自体は少なくないが、いずれもすでに特定の分野に絞った活動を行っており、またICANNの「改革」で理事の選挙制度が廃止され、AtLargeに参加しても、「助言」しかできず、意思決定プロセスに直接関与できないことが、関心をもたれない大きな原因となっている。

 北米では、カナダも、ccTLDによる国別ドメイン名の管理組織では利用者も参加する選挙が実施されているのだが、米国と同様の理由もあって、関心が低いようである。

活動費用問題
 ALACの活動費用については、各ALSおよびその連合によるRALOによって独立採算で賄うことが想定され、ICANN理事会・本部は、2003年度に予定した8万ドル予算に対して、2004年度には4万ドルと、大幅な減額を想定していた。

 これに対して、ALACでは、ALSへの関心は当初の想定よりはるかに低く、RALOを立ち上げるためには、よりいっそうの広報活動が必要となり、ICANN自身が積極的に予算化して取り組まない限り、現状のままでの早期のRALOの設置は困難であるとの認識が強まっている。

 したがって、ICANN理事会に対してALACとしては、大幅な活動費の計上を求める動きが強まっている。

 一方、ICANN理事会・本部としても、後述するWSISでの議論の結果、「インターネット・ガバナンス」が、第二期のチュニジアWSISに向けて、国連事務総長によるワーキンググループを設置して継続して検討される状況のなかで、ICANNとしても、「アウトリーチ」すなわち、世界各地に活動の浸透をはかり、名実ともに国際組織としての実体を整備する必要性への認識が高まっている。とくにAtLargeについては、政府による過度の介入を好まない立場から、利用者がICANNの組織に直接参加する形態を強化する必要があるとの認識も高まっている。

 このため、ALAC関連予算の増額も前向きにとらえられ、現在、ALAC側が必要となる予算案を地域別に検討した上で集約し、4月末までに提出する運びとなっている。

他グループとの協力 AtLargeの存在意義を認識して
 ALACでは、ICANNを構成する他グループとの連携関係の強化を図りつつある。

 その一歩が、今回実現したWSISワークショップでの、多くのグループによる「共催」である。また、GNSOの構成団体の一つであるNCUC.とも合同で会合をもった。これまでの双方の誤解を解消し、今後は緊密な協力関係を確立しようという方向で合意がなされた。

 こうした協力関係の確立は、かつて広く存在した、「AtLarge」はICANNには不要だという考え方が払拭されてきたことを意味し、ALAC、そしてAtLargeの存在意義が認められてきたことの表れといえるだろう。今後とも、課題別に整理した上で協力関係を深めることは重要であろう。

 ALACのメンバーの間では、全般に、地域組織RALOの立ち上げについては、当初に比べて、容易には実現できないとの見方が強まってきたといえる。とくに、実際にALSの立ち上げ、認定などの作業にかかわるにつれて、ICANNの活動に関心をもち、理解を示してもらうように働きかけることが容易ではないことが体感されている。

 ただし、後述するように、WSISなどの外部イベントも含めて、ICANNにおけるAtLargeの必要性については、ICANNコミュニティ全体の認識が深まってきたことは明らかで、その背景としては、モントリオール会合、チュニジア会合と、継続的に参加を強め、発言を行い、組織づくりの足元を固めてきたことが影響しているといえる。

5.ポリシー問題への取り組み

 ALACは、当初は、地域RALO確立のための組織化を中心に活動すべきだという考え方が強かったが、昨2003年後半からは、具体的なポリシー問題への関与も積極的に取り組むべきだという考え方が支配的となった。

 これは具体的なポリシー問題に積極的に関与することは、一般利用者のICANNの活動への関心を高め、ALS、RALOへの組織化を推進する上で効果が高いと考えられるからである。

 具体的には、プライバシー管理問題を中心とするWHOISデータベース、新gTLDの創設、ベリサイン社によるワイルドカード・サービス(「サイトファインダー」問題)に端を発した、レジストリーによる新規サービスへの対応問題などで、独自のコメントを発したり、タスクフォースに関与したりするなどの活動を行ってきている。

 ALACのメンバーが参加しているタスクフォース、ワーキンググループは、以下である。

表6. ALACメンバーが参加するタスクフォース、ワーキンググループ
Transfers Assistance Group Thomas Roessler, Sebastian Ricciardi
WIPO II Working Group Sebastian Ricciardi;
GNSO’s new gTLD Committee liaison Wendy Seltzer
GNSO’s Whois Steering Committee liaison Wendy Seltzer, Thomas Roessler
GNSO Whois Task Force #1 liaison Wendy Seltzer, Thomas Roessler
GNSO Whois Task Force #2 liaison Wendy Seltzer, Thomas Roessler
GNSO Whois Task Force #3 liaison Vittorio Bertola
GNSO Registry Services Task Force 未定
(Informal) WSIS coordinating group Vittorio Bertola.

 

レジストリーによる新規サービスについて
 GTLDのレジストリーが新規の機能をもったサービスを開始することについて、ICANNとしてどう対応すべきかが、課題となっている。これは、ベリサイン社が導入しようとした、利用者が誤ったURLを入力した場合に、検索エンジンを案内する「サイトファインダー」サービスの是非をめぐって、大きな議論を呼んだが、同社はこれ以外にも、既に使われているドメイン名であっても、使用権が返却されたときに、あらかじめ申請・登録しておけば優先的に利用権を獲得できる、「ウェイトリスト・サービス」の導入もICANNに対して認めるよう要求を続けており、ローマ会議の直前に、同社は、ICANNの消極的な対応を不服として、米国で裁判所に訴訟を起こし、高い関心を呼んだものである。

 ALACでは、新規のサービスに対しては、基本的にはICANNが個々のサービスの是非を直接判断すべきではなく、市場の判断に委ねることを原則とすべきと考え、そう発言した。

 ただし、すべてを市場に任せてレジストリーが自由に新サービスを開始してよいというのではなく、基本的には、インターネットの機能に害を与えないかという点については、ICANNとして、検討・承認するプロセスは確保すべきと考えている。また、DNSはアプリケーション、プロトコルに対して「中立」に機能すべきで、特定のアプリケーションに有利になるような機能は認めるべきでないとの原則を提案している。

 すなわち、導入を予定しているサービスが、インターネットの利用にマイナスの機能をもたらさないか、ネットワークのオープン性が損なわれないかどうか、市場の競争を損なわないかどうか、レジストリーの独占支配の強化につながらないかどうか、インターネットのもつ、エンド・ツー・エンドの原則を侵害しないかどうか、などの検討は行われるべきだと考えている。とくに、レジストリーの収益は増加させ、その分のコストを利用者に転嫁することになるようなサービスは認めるべきではないと考えられる。

 その場合に重要なのは、関連ある主体すべての意見をオープンに集約し、検討過程に透明性を確保することである。その上で、損害がほとんどないとみられる機能を導入する際には、「ファーストトラック」で迅速な決定・導入を確保すべきであること、決定に不服なレジストリーに再審議を求めることを認めるべきであること、決定のプロセスには、利用者を含むICANNのコミュニティ全体が関与すべきことなどが、ローマ会議で表明されたALACとしての意見の骨子である。

WSIS
 国連主催の「世界情報社会サミット(WSIS)」は、昨年12月にジュネーブ会合が終了したが、懸案となっていた「インターネット・ガバナンス」の問題は、開幕直前まで政府間で激しい対立が続いた。ようやく妥協にはこぎつけたものの、その結果、2005年11月に予定されているWSISの第2フェーズであるチュニジア・サミットに向けて、国連事務総長による作業部会を設置して検討活動を行うこととなり、いわば問題の「先送り」という形で、とりあえずの決着をみた。

 当初は、ドメイン名管理とIPアドレスを明記して、ICANNが直接の批判の対象となったものだが、最終的に採択された共同宣言および行動計画では、全体としては「インターネット・ガバナンス」でくくり、ccTLDについて国家主権の管轄下に置かれるべきだという文言は明記されたが、ICANNとドメイン名体制について、具体的な記述はされなかった。

 しかし、中国、ブラジル、南アフリカなどの政府が、今後、国連事務総長による作業部会で、ICANNをターゲットとした主張を行わないという保証はまったくない。むしろ、これまで通り、いまのICANNはアメリカ政府が最終的な法的管轄権をもつ体制で、真に国際的に平等な組織になっていないこと、政府は「政府助言委員会」での「助言」しかできず、意思決定に関与できないこと、途上国からの参加が不十分であることなどを主な批判点として、技術的な問題はICANNに任せても、公的政策にかかわる分野はITUなど国連の枠組みによる政府間組織に管轄を移行すべきだとの主張が続くことは必至と考えられる。

WSISワークショップの開催
 ALACは、このWSISにおけるインターネット・ガバナンスの議論、とくにICANNに関連する議論が生起したことに、ICANNコミュニティのなかではもっとも早く注目し、2003年6月のモントリオール会議のパブリック・フォーラムで、唯一発言したのも、ALACのメンバーであった。

 チュニジア会合においては、ALAC単独で、WSISについてのワークショップを開催し、約30名が集まり、討論を行った。

 ALACでは、このローマ会合においても、WSISジュネーブ会合の結果を踏まえて、第二フェーズに向けての取り組みとして、やはりWSISをテーマとするワークショップの開催を企画した。今回は、ICANNを構成する他の支持組織の関与を招くことを意図し、準備段階から他のグループにも呼びかけを行った。

 実際の準備は主としてGNSOのビジネスグループおよびISPグループと共同で進めたが、当日は、その他の多数のグループも共同開催者に名前を連ね、ICANN理事会のビント・サーフ会長、そしてポール・トゥーミイ事務総長もスピーチするなど、WSISがICANNに対してもつ重要性は十分認識されていったといえる。

 WSISワークショップは、3月4日午前に開催され、会場には、約200名と、多数の参加がみられた。

 本ワークショップは、「事実を正確に伝えること」と、「ICANNを構成する各主体の認識・今後の取り組みを明確にする」という2つを目的として開催し、それ以上の集約的な議論は無理には試みないというのが、事前に合意された位置付けであった。その意味では「言いぱなし」的な会合で、時間の制約もあったが、より掘り下げた議論ができなかったという意味では物足りなさを覚えた参加者もあった。これは、ICANNの構成主体が、レジストリー、レジストラーから、ccTLD、ISPなど、様々な立場に分かれていることで、一気に共通の行動方針に向けてまとめることが困難なことが一因である。同時に、ICANN本部として、あまり目立つ行動は取りたくないという、「抑制した議論」を求める意識の現われであるかもしれない。

 この点については、ALACがローマ会議の最後に、直接機会を設けてミーティングを行った、ICANNの政策担当副CEO、ポール・バーホーフ氏が、「WSISについては、ローキー、ロープロファイルを基本とする」と語ったことに裏付けられている。つまり、国連総長のもとでの作業部会が、「インターネット・ガバナンス」全体の定義から始めるという状況なので、ICANNの側からわざわざ個別の論点を浮き上がらせることは不利であるという計算である。

 WSISワークショップは、ビジネスグループのデイビッド・フェアーズと、AtLargeの会津泉によって、WSISの概要の紹介から始まり、ビントン・サーフICANN理事会会長、ポール・トゥーミイ事務総長、さらにイタリア議会上院でWSISを担当するフィオレロ・コルティナ議員のスピーチが続いた。サーフ理事長は、「情報社会」についての広汎な議論が「インターネット・ガバナンス」に狭められ、さらに「ICANN」に絞られることへの懸念を表明し、ドメイン名よりも、スパムやネットの悪用などの議論のほうが社会的には重要ではないかと述べた。

 コルティナ議員は、情報社会でも「情報人権宣言」が必要で、情報の自由な流通、アクセスの自由などの価値が重要だと述べた。いずれも、基本的には民間主導でのガバナンスを支持する内容であった。

 続いて、様々なグループから、各3分のスピーチが続いた。発言者は以下の通りである。

ビットリオ・ベルトーラ ALAC
アエシャ・ハッサン 国際商工会議所/ビジネス・GNSO
ピーター・デンゲート・トルッシュ インターネット・ニュージーランド/ccSO
ポール・ケイン CENTR/ccTLD
ミルトン・ミューラー  Non-Commercial User Constituency・GNSO
エレナ・ブロイトマン Register.com/レジストラー・GNSO
デイビッド・マハー gTLD レジストリー・GNSO
トニー・ホルムズ ISP・GNSO
スティーブ・クロッカー Security and Stability Advisory Committee
ポール・ウィルソン Number Resource Organisation (NRO)
チャールス・シャバン IP (Intellectual Property) ・GNSO
ビル・マニング DNS Root Server Systems Advisory Committee
ボルフガング・クライベクター WSIS Civil Society Internet Governance Caucus

 この後、討論と今後の取り組みについての意見交換が行われた。メンバーはいずれも現在のICANNに参加し、それを支持する組織の代表なので、大きな意見の対立はみられなかったが、いずれも今後の議論に参加することの重要性を強調した。

 そのなかでは、NROのチェアでAPNICのポール・ウィルソン事務総長が、「ICANNには真正な国際化が求められている」として、米国政府がルートサーバーの法的支配を継続している状況から脱却することの重要性を指摘したことが目立った。ただし、彼も、政府の介入は否定し、現在の体制の延長で、中核となる当事者の参加の確保を主張した。

 NCUCのミューラー氏とWSIS Civil Society のインターネット・ガバナンス・コーカスのクラインベクター氏は、いずれも市民・利用者の参加の重要性を強調し、政府による直接介入の問題点を指摘した。クラインベクター氏はまた、インターネットの基本アーキテクチャーを踏まえて、センターは弱い管理で、エッジ(利用者)に力を与えるべきだと主張した。

 ALACのベルトーラ委員長は、現在のICANNには改善すべき点があること、とくに利用者の役割を認知し、多言語環境を実現すること、国連作業部会の「マルチステーク・ホルダー」を歓迎し、ALACとしても積極参加する意向を表明した。

ITUワークショップ
 なお、ローマ会合に先立って、ジュネーブで、ITUが主催して「インターネット・ガバナンス」をテーマとするワークショップが2月26−27日に開催され、ICANNのALACからも、チェアのベルトーラ氏、筆者(会津)らがスピーカーとしてITUにより正式に招待されて参加し、発表を行った。

 このワークショップには、ALACメンバー以外でも、WSISのCivil Society Internet Governance Caucusのメンバーが多数招待されていた。William Drake, Wolfgang Kleinwachter, Milton Muller, Bertrand de La Chappell などである。

 ALACとしての基本姿勢は、「利用者の参加は重要・必須であること」、「政府および政府間組織の関与は最小限に留めるべきであること」、と集約できる。また、インターネットの「自律分散」構造を重視し、その構造に見合ったガバナンス=管理の仕組みを基本とすべきこと、インターネットの技術的なレイヤー構造を踏まえた検討、管理が必要なことなども、共通した認識だったといえる。会津は、市民・利用者の参加の重要性を「Netizen Participation」として主張した(末尾参考資料参照)。

WHOISデータベース
 ALACは、ドメインネーム登録者の「WHOIS」データベースの管理のあり方を検討する、GNSOのWHOISタスクフォースに参加し、データ要素の評価と見解を表明してきた。ALACはまた、チュニジア会議中の10月29日に「プライバシー保護手段を至急実装すること」を求める声明を発表している。「登録者が個人情報を任意で選択して登録する」か、または「すべての情報を提供するが、公開はしない」のいずれかがベストであるとしたものである。
http://alac.icann.org/announcements/announcement-29oct03.htm

 このWHOIS問題の背景には、登録商標などの既存の知的財産権を保護しようとする企業などの立場を代表するグループが、WHOISに登録されているドメイン名登録者の連絡先などの情報の厳密な正確性の維持を義務付けることで、悪意・不正な登録者の割り出し、訴訟などの対抗手段を容易にできることを求めているという問題がある。他方、ドメイン名は登録商標とは別の価値をもつものであるという立場からは、そうした既存企業側の知的財産権を一方的に保護し、個人や新興企業の立場を弱める施策は、本来保護されるべきプラバシーを侵害し、不公平になると批判する。

 現在ALACが参加しているWHOISタスクフォースは、3つに分かれている。

 タスクフォース1は、ポート43およびウェブ経由でのWHOIS情報の利用のあり方を検討している。現在は、ポート43を利用すると、大量のデータが入手できるが、これをウェブ経由のみにすべきかどうかがポイントである。ALACは、「誰がアクセスするか」ではなく、「アクセスして何をするのか」がポイントであること、「匿名」での利用と、「利用者確認」とに分ける方法も検討すべきである、等を主張している。

 タスクフォース2は、現状のICANNのWHOISに関する情報の収集・開示・移管に関するポリシーの見直しを行っている。ALACの主張は、収集・開示するデータは最小限のものに限定すべきで、かつ任意にできるものは任意にすべきこと、登録者と登録組織の間に仲介者を置くことは解決にならないこと、などを提唱している。

 タスクフォース3は、ドメイン名登録者のデータの正確性の適正な検証方法の策定を行っている。これについては、ALACは、アンケートへの回答がきわめて少ないことなどから、検討のための具体的なデータが不足しており、現在はまだ確定的なことを決められる段階ではないことと、登録者が世界中に広範囲に広がっているので、そういう現実を踏まえた検討が必要だという主張を行っている。

 今後、WHOISタスクフォースは、検討を進めて、順次提案をまとめる予定となっている。


参考資料

ローマ会議 AtLargeアジア太平洋地域会合 議事録
2004年3月2日

Asia / Australia / Pacific At Large Organization Meeting
ICANN Rome, March 2, 2004-03-02

Agenda (Izumi):
- Update on what is happening around Asia
- Coordination with other Regions

Self-Introductions from participants:
Izumi Aizu, ALAC Asiam izumi@anr.org
Vittorio Bertola, ALAC Europe vb@bertola.eu.org [welcome note]
Tommi Matsumoto, ALAC Asia tommy-m@tkd.att.ne.jp
Joon Kook Park, SHIN & KIM jkpark@shinkim.com
Marylaine chausse, OIF/INTIF Marylaine.chausse@francophonie.org
Che-Hoo Cheng, HKITF/TechCreations chcheng@ieee.org
Ching Chiao, TWNIC Chiao@twnic.net.tw
Edmon Chung, AFILIAS edmon@afilias.info
Roberto Gaetano, ALAC Europe alac_liaison@hotmail.com
Xue Hong, ALAC Asia
Tadao Takahashi, ALAC Latain America/CB tadao.takahashi@vol.com.br
Clement Dzidonu, ALAC Africa clement@iniit.com
Didier Kasole, ICANN NomCom Didier@jobantech.cd
Sebastian Ricciardi, ALAC Latain America/CB sricciardi@fibertel.com.ar
Jieun Park, KRNIC kepark@nic.or.kr
Rongsheng Xu, ISO China xurs@sun.ihep.ac.cn
Feng Guozhen, China Netcom fenggz@china-netcom.com
Gao Ya Li, Internet Society of China gyl@isc.org.cn
Sun Yongge, Internet Society of China syg@isc.org.cn

Izumi Presentation: <LINK>

Xue Hong description and introduction of CNC:
- Individuals representing groups
AtLarge@China:
- support of Internet Society in China
- no relationship with CNNIC

Ching Chiao explanation of NII (Taiwan):
Established over 10 years
CEO is Mr. Wu Guo Wei (APNIC EC, former VP of Acer, Former Yam CEO)
>200 members mostly companies

Izumi passed around cards collected from individuals he met in a recent visit to China.
Ching Chiao description of ISOC Taiwan

Izumi Discussion on the approval of ALSes:
Regional Members take responsibility on Due Diligence (but mainly hands off)

Sebastian update on Latin America groups:
Peru - Lawyers association
Costa Rica -

Che Hoo update on Hong Kong groups
HKITF
HKIRC - 13 directors, 6 elected by user class (kind of an ALAC type, but user class is usually corporations)

Tommi Matsumoto introduction on APNG
APNG - internet community, founded 13 years ago
AtLarge Committee
At Carthage - Discussed with KRNIC Ji-Yul Yoo

Group Discussion:
- How to form RALO
- How to form ALS

Edmon (question): what is expected of ALSes? Why should people care?

What does ALS do
- Study ICANN Issues

Roberto:
Key Function of AtLarge is to bring up things of interest from users not on ICANNユs list

Vittoro:
Structure is important
Short list of issues
Value of involving users (structure)

Sebastian:
Major challenge to involve users in "single policy"

Joon Kook Park: Does ALS fit its goal (is the means correct)?

Roberto:
- input of ALAC to ICANN not taken seriously
- individual comment not equal representing ALAC
- how to give weight
- structure of RALO coming with recommendation
- position of local community

Xue Hong:
- bring users to ICANN
- should we create a website? Forum? Blog?

Tommy: Suggests leveraging APNG Website

Izumi- hard for AP to not involve government
What issues in particular (what priorities) are faced by users in the region?

Xue Hong (in Chin):
1. Fraud online
2. Anti spamming
3. Pivacy protection (WHOIS)
(HSBC case)

Izumi:
What is the appropriate framework of Internet Governance
ICANN not sufficient government and public participation

Discussion about WSIS:
Sebastian: many are in wait and see mode
Vittorio: Important to have a little more weight for ICANN from users

Izumi: Governments sometimes become emotional

Clement:
ALAC are issues based
Elections call for focus but discussion dies down afterwards
ICANN is going to be different after WSIS
Getting people really involved is important
African region (money problem)
University Students (fueled by enthusiasm) participate mostly

Tommy:
Further discussions in AP Region (APNG and APAN in July)
APNG Camp (July 2 - 5)

Clement:
fundamental question: does interest of ALAC coincide with interest of ICANN
ALAC independent of ICANN

Edmon: Perhaps putting together an information package would help provide a consistent and coherent message to people.
[General Agreement]

Roberto:
What is ALAC? Interest of ccTLD or interest of ICANN?
ICANN is trying to organize ALAC the same way it is trying to organize (ccTLDs, gTLDs, etc.) previously.
What may have worked for these groups may not address to individual interests
Until we have a way to get input from individuals ICANN cannot cover all areas (3rd leg of the chair)
ALAC must help to steer ICANN towards participation of individuals

Edmon: Brief introduction to the DotAsia concept (a community-based sponsored gTLD for the Asia and Pacific Region)

 

 

ITUワークショップ 「インターネット・ガバナンスへのネティズンの参加を」

Netizen Participation in Internet Governance

ITU Workshop on Internet Governance
Geneva, February 27, 2004

Izumi Aizu
Deputy Director, Institute for HyperNetwork Society

1
I have been involved with "Internet Governance", or areas of global Domain Name system management since around 1996. I was the Secretary General of Asia and Pacific Association, which became the formal member of the Steering Committee of so-called IFWP, International Forum on the White Paper, a process which was a global effort to setup a new body to manage the DNS, upon receiving the call by the United States Government to "privatize" and "internationalize" the DNS management in an open and inclusive approach. We advocated the equal participation to the process and the body, eventually setup as ICANN, from Asia and Pacific regional viewpoints.

Today, I like to provide my proposal of putting the "Netizens" to the global governing framework of Internet we are tasked by WSIS process.

1+
There is WSIS Civil Society Internet Governance Caucus which has more than 60 individuals from most of the regions of the world and worked very hard to contribute to the Civil Society Declaration for the WSIS in its Internet Governance section. I suggest you to take the principles proposed there into serious consideration for the coming debate. It would be more appreciated if this group gets formal recognition and is invited as a group to the next phase of discussion including the Working Group under the Secretary General Koffi Anan..

2
As we are all aware, we are facing the new kind of challenge for this Internet Governance.

The Internet made it possible to send and receive information from anyoneユs desktop, laptop, or even from mobile phones on the go, with minimal cost, very easily and instantly, to anywhere in the world, ignoring the geographic and institutional borders including that of the nation states. This fact poses trans-national challenges that are difficult to solve by applying the traditional "nation" based approaches

Frankly, most of the current International or inter-governmental organizations were designed in the industrial age and not ready to deal with these national or global issues as efficiently and effectively as we want. They are slow to identify the issues, slow to come-up with solutions, slow to agree each other, often constrained by national and bureaucratic borders, and too rigid to respond to the rapid, ever-changing technologies and their applications. When they come-up with legal framework against certain types of spams, the spammers are already well-ahead of the game creating new methods which is hard to trance and enforce. And this is just a small example of the large iceberg.

Therefore, there is a clear need to establish a new governance model in which, I think, the Netizens from the Civil Society will play a vital role, in cooperation with the government. International organizations, business sector and technical community.

3
oHere is a diagram in which "self-governance" will take place. It is mostly carried by the collaboration of all stakeholders, business entities who are mostly provider of services, along with technologist who develop the technology and standard, as well as manage some administrative and management functions. Government can give legal and other policy framework but it is better for them and for us to ask them keep minimal involvement. Intergovernmental bodies and international organizations have their roles, as well.

oBut what is necessary here is the participation of the Netizens. I will explain the reasons why, its merits and risks of excluding them in my remaining time.

4
First and foremost, Internet is becoming everyday tool, or commodity, for most of us. In Japan, over 60% of population or 70 million people are now using the Internet one way or the other, and 70% of subscribers are now enjoying the highs-peed broadband connection, which gives you "always-on" feature. Korea as you know has the highest penetration of the broadband, with 80% penetration to the household and the usage is very very high. China, now reached the number 2 place in terms of number of users after the United States with 80 million people. The development of I-mode in Japan gave rise to use mobile phones to access Internet, opening up the age of Ubiquitous, or pervasive networking. As pointed out by many previous speakers, the Internet empowers ordinary citizen with tremendous power - sending thousands of e-mails to millions of people at a cost of few dollars, sending both positive messages as well as destructive viruses.

With this potential, million of users are facing, or creating societal challenges: in Japan, victims of online dating services with mobile or ordinary Internet is on the rise, targeting young women in schools, with more than 100 serious crimes a year. P2P file exchange is posing threat to commercial copyright holders, but it also is opening up new and creative way of sharing works among citizens. Compared with these, Domain Name and IP address management has far less serious problems, but we may face more challenges.

5
For any Internet governance model to work, it should fit with the reality of local and regional situation. As one of the few speakers from Asia Pacific, I like to bring attention the very divers situation of Internet development in our region, from highly developed places of Japan or Korea, to just in their infancy in Afghanistan, East Timor and Iraq, suffering from the wars and conflicts, or tiny economy of Bhutan and many other LDCs.Though Internet has been mostly developed by so-called "Internet community" in many Asian countries, similar to that of developed countries, I could say that governments play greater role in supporting the Internet in infrastructure and capacity building activities.

6
In the case of Asia and Pacific, there has been a very strong tradition of voluntary coordination and cooperation among the Internet community. Here are all the "AP" organizations working on different areas of Internet management, from address and Domain Name management to infrastructure development or spam or security matters. We have annual summit, just taking place right now in Kuala Lumpur, Malaysia, called APRICOT. This voluntary coordination is appreciated by governments but receiving no control, nor much financial support at all. It is working just fine.

7
As many speakers already mentioned this, I will not spend much time to explain these.

8
Similar to Ms. Hassan of ICC mentioned, we should try to follow the governance model after the architecture of the Internet which is based on the layered structure. Functions of each layers are different, so the governance models should be. It is also necessary, however, to bring coordination among different actors at different layers together.

9
The word "Netizen" was first coined by a 23-year old student, late Michael Hauben in New York in 1993. He was trying to identify the new residents of the network community, from Net Citizen to Netizen. These active users were originally found in the technical community, but then it now has spread into the civil society at large. They are the main actor of the Information Society, as Prof. Shumpei Kumon of GLOCOM offered with the theoretical analysis that in the Information Society, the social games are played around the Intellectual values, not economic values like the industrial society. We see very active groups affecting the society like the slash-dot in US or 2-channel, its equivalent in Japan. We know many active political activities are generated from onilne forum, in Korea, where Netizen already became a common Korean term, affecting the outcome of the presidential campaign, or in China where people are now starting to use online forum to criticize the government (sometimes). The rise of Smart Mobs is illustrated by my friend Howard Rheingold in his book, showing positive and negative potential impact of using these cheap, open, mobile technologies.

10
Why then should we let Netizens to participate this global governance? First, for any democratic governance it is necessary to establish the Consent of the Governed, a basic principle of the governance. But we should go further more. The Netizens are the main actor of the Internet development, as they are the great inventor and innovator of such tools as WWW, Mosaic or Netscape, the browsers, Yahoo by David Filo and Jerry Yang, students at Stanford university, or ICQ or Amazon are also developed mainly by users. Missing them is like playing the football game without any top-notch players. Third, decisions around Internet governance will affect so many end-users directly. You need to listen to those who are affected by the decisions.

Netizens will act as watchdog, or functions to provide appropriate Checks and Balances system, to counter other interests. By involving them they will have more sense of responsibilities, too.

11
I also like to try to list some merits of having Netizens to participate.

First, Netizens have direct knowledge and rich experience of most issues caused by the use of Internet. If you are the parents, quite often your children know much better about using the Net than you are.

Second, Netizens are flexible, work more efficiently than many incumbent institutions where protocols and procedures take up too much time and act as barriers for timely decisions.

Third, Netizens are global citizens, not constrained by national boundaries. There are many communities of interest, spread globally, irrespective of geographic or other existing social boundaries.

12
Netizen participation will increase diversity. By making regional balance as compulsory, Netizens from all the regions of the globe will participate in the governance activities. Netizens will counter economic balance, not dominated by large corporate interest, but adding non-profit, non-governmental forces. It will also provide cultural diversity, with multilingual environment. It will reduce the magnetization of the minority, too. By encouraging the Netizens to participate, affirmative efforts to listen to the minority groups, persons with disabilities, women in vulnerable situations, linguistic minorities, all will have more opportunities for their voices to be heard.

13
Netizens share the view with technical community that freedom at the edge of the network is the core value of the Internet. Traditional telecom operators, or mobile phone operators, on the other hand, may not necessarily share this vision and tend to "close" the network by inserting their central control that is convenient for the operators as well as many "passive" consumers. We are concerned that it may stifle the innovation and development of the Internet we have enjoyed so much so far.

14
There are risks of excluding Netizens from the global governance mechanism. If we only rely on technologists, they may lack the human viewpoints. If we rely too much on corporations, aspects of human rights might be compromised in the name of profit-making, e.g, in the case of privacy protection. And if we rely too much on government or bureaucratic mechanism, then we may face narrow "top-down" approach or closed decisions.

15
oIn conclusion, we need to put Netizens for the self-governance mechanisms to work. This will help solve the dichotomy of private-sector only approach vs strong government involvement. It will create appropriate, more balanced structure. There are active Netizens in the developing parts of the world who will also enhance the balanced participation.

16
In order to make effective participation of the Netizens, their autonomous, distributed and collaborative network of networks is necessary to exist. Efforts at ICANN AtLarge is one such example, trying to be bottom-up, coordinated globally, based on subsidiarity principle, that addresses the local issues be solved locally first, seek for global solutions for only globally challenging issues. We also need self-certification mechanism in place that works.

17
I have some suggestions and information to the upcoming process.

We should be really open and inclusive: We need to Involve more stakeholders from developing parts of the world, and people in the non-Western regions. We should also consider to reach out people with different backgrounds; people with disabilities, for example, into the main stream of the debate. For effective out reach regional meetings are essential to listen to these diverse voices, one you may not hear here in Geneva or in New York. To show our commitment, we, ICANN ALAC with other constituencies are hosting WSIS Workshop at the coming ICANN Rome meeting next week. It will be on Mar 4, 11:00 - 12:30, and it is open to everyone. I hope many events like this will be organized to produce fruitful dialogue among us.

END



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