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[風from ASIA] 中国 熱いブロードバンド
 8月から11月にかけて上海を3回訪れ、発展の勢いの一端に触れてきた。

 上海は今がいわばバブルへの上り坂という、世界でもかなり珍しいところだ。ネット利用者は推定300万人。ブロードバンドはその1割、30万人ほどいる。東京でもせいぜい100万人と目されるから、上海はその3分の1となる。経済全般の格差やマイカー所有率の違いなどを考えると、上海のブロードバンド普及の目覚ましさが際立つ。

 その上海から列車で2時間の杭州は、人口600万人の大都会だ。中国初のADSL(非対称デジタル加入者線)実験が行われたと聞いて出かけたのだが、実は光ファイバーの普及が目覚ましいことに驚いた。

 国営の中国通信が分割されてできたネットコムという会社が、わずか8か月で全市にファイバー網を敷設し、現在の利用者は8万人。ADSLが10万から12万ということだから互角に近い。料金も、光が毎月80元(1200円)に対してADSLが78元ときっ抗している。

 急速な展開の秘密は、ケーブルテレビと提携したこと。といっても、銅線の同軸ケーブルは使わず、ケーブル会社の「管路」に新たに光ファイバーを敷設したという。このモデルは世界的にも珍しい。

 杭州には、世界最大のB2B(企業間電子商取引)サイト、アリババの本社もある。その最高幹部2人に会ったが、実にパワフルで、その柔軟な思考に感心させられた。ごく最近、日本の中小企業向けのサービスを開始したが反応は上々という。

 さらに、浙江大学での電子商取引の授業に飛び入りし、「ブロードバンドで本当に社会が変わるのか」というテーマで発表し、学生と討論をしたが、「間違いなく変わる」と答える学生たちの熱意、目の輝きは日本では失われてしまったものだった。

 杭州訪問をアレンジしてくれたのは、早稲田大学の大学院で学び、いまは浙江大学の先生とIT企業の経営者を兼ねている、夏瑛(シャエイ)さんという女性。日本で学んだ知恵を中国で生かそうとする姿も印象的だった。

 上海ではアフガニスタンでのインターネットの立ち上げに協力してほしいと頼まれ、通信省の人と、国連開発計画の友人と「作戦」を議論した。日本の資金に期待が集まっている。なんとか早く実現したいものだ。

アジアネットワーク研究所代表 会津 泉
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