iznewsハイライト June 2003

Date: Mon, 09 Jun 2003 01:45:11 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00297] 出張と SARS

SARSの影響で、4月と5月に予定していた二度の中国出張が延期になり、
私にしては珍しく、丸3ヶ月、日本にいました。

でも、火曜日10日から19日にインドネシアへ、21日から28日は、ICANNで
モントリオールに出張します。

インドネシアは、国際協力銀行(JBIC)の委託による調査の出張で、
インドネシアの統計情報システムの「事後評価」などを行う予定です。

インドネシアはWHOなどの「汚染指定地域」ではなく、SARS患者も累計
2名と発表されています。日本は4月に疑わしい事例1名、という情報もあ
りましたが、現時点ではゼロです。カナダはトロントが深刻でしたが、他の
都市ではほとんど被害はないようですね。

そのSARSに関連して、私にもここ数日少々困ったことがありました。
万一のことを考えて、帰国後「自宅待機」すべきだというのです。

伝染経路がそれほど明確ではなく、死亡率は低くなっても、根本治療策
がないことなどから、必要以上に神経質になることは心情的には理解で
きなくはないのですが、でも、合理的根拠がないことを押し付けられる
のは納得がいかなくて。。。

業務で行くのですし、リスクの程度として、十分マネージできる範囲
だと判断できるから行くのですが。渡航制限があるわけでもなく。

報道によると、汚染地域だった中国、香港、シンガポールなどに、一時
帰国していた企業の社員、家族は戻っているようですね。彼らもきっとい
ろいろ苦労されいるのでしょう。

日本でも国際会議も中止されたとか、アメリカでも延期したといった話も
聞こえてきますが、不要な懸念が拡大していくのは疑問です。

もっと、前向きの、風説、憶測ではなく、きちんとした情報の公開、共有、
積極的な取り組みが必要なのではと痛感しています。

同時に、「島国日本」だけ、水際で隔離しておけばなんとかなる、という
のは違うと思います。よくも悪くも、グローバル化が進んで、空気でさえ
完全に隔離するのは無理でしょうから。国境が地続きになっていない、
四周を海に囲まれた地理的条件で長い間過ごしてきた国だから仕方
ないのかもしれませんが、新しい思考と行動が必要に思えます。

会津 泉

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Date: Tue, 10 Jun 2003 20:24:04 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00304] ジャカルタ到着です

さきほど、ジャカルタ市内のホテルに到着しました。
部屋からイーサネットで高速接続できるので快適です(そういうホテルを
指定したので、当然なのですが)。

成田では、出国管理のところで、係官でマスクをしている人も、いました。
二人はしていて、後の人はしてなかったみたいです。乗客でマスクをして
いる人は、一人見かけただけでした。行き先などによるのでしょうが、
出国ベースでは、ほとんど目立ちません。

ジャカルタ空港では、サーモグラフィーで通行中の入国客をチェック
してました。でも、止められるということはなく。その係官はしっかり
マスクをしてました。 ポスターも見ました。それ以外は、とくになにも
感じませんでしたが。

山崎さん、私も「水際作戦」がまったく不要というつもりはありません。
しかし、水際隔離<だけ>で防げるというのは、かえって現実的では
ないと思います。また、二次被害、三次被害という点で、風評による
被害、偏見にあう関係者、対策の立て方などの面では、見直しが必要
でしょうし、情報の共有も重要だと思っています。

ネットを積極的に使って、SARSに負けない方向で、宣伝をするというのも
ありではと思ってます。

中国の<情報公開>については、私もかなり懸念しています。
でも、日本の情報公開の度合いも、それほど安心はしていません。
どちらにも、それぞれ問題がある、次元は違っても、って思います。

今回延期になった出張は、その中国の国家情報システムに関連する
調査なのですが、、、。まだあまり詳しくは書けないのですが、日本の
ODAの評価の一環での仕事です。

会津 泉

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Date: Sat, 14 Jun 2003 01:25:09 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00309] from Bandung

ジャカルタに2泊してから、ここバンドンに昨夜つきました。
高原都市なので、比較的過ごしやすいところです。

6年前に初めてインドネシアに来たときに、初めて泊まったのが
バンドンでした。インドネシアのインターネットのパイオニア、バンドン
工科大学(ITB)があって、その関係者に取材したのですが、今回、
彼らに再会できました。

また、花をつくって売っているコミュニティにある、小さなコミュニティ
アクセスセンターを見学して、そこの村民と意見交換もしてきました。

人口400人、電話は9割の家庭にあるけど、携帯は10人ほど。
インターネットは、このセンターのパソコンから、週三回、朝の決まった
時間しかアクセスできない、というのですが、使うのは女子高校生が
多いそうで、今日も3、4人で来てました。世帯の年収が15万円ぐらい
というそうですから、大雑把にいえば、パソコン1台が年収分です。
 利用料金は、1時間1500ルピア、200円ぐらいでしょうか。街のネット
カフェの半額とか。彼女たちはお小遣いを節約して使いに来るそう
です。

車やテレビや生活に必要だけど、パソコンやインターネットはそう
は感じられないという村の人々。でも、若者には良いことだ、とも言い
ます。ネットにつながることで、パソコン単体とは違う価値があるという
ことを、どう実証できるのか、難しい現実もあります。

MASTELという、インドネシアの電話事業者協会のプロジェクトで、
実際にはそのスタッフの一人が近くに住んでいて始めたものです。

なかなか考えさせられる見学でした。夜は丘の上の眺望の素晴ら
しいレストランでITBの旧友らと食事。大学も、インキュベーション
センターをつくり、ソフト産業を育てる必要がある、という話が熱心
に交わされていました。

明朝、ジャカルタに移動し、日曜にスマトラのパレンバンに行きます。

会津 泉

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Date: Mon, 16 Jun 2003 23:48:50 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00311] fron the train

バンドン行きの列車に乗っています。夜の9時半です。

日曜日=昨日の午後、ジャカルタから南スマトラのパレンバンという
町に飛行機で移動しました。私はまったく気がつかなかったのですが、
ビジネスクラスに偉そうな人が乗っていて、なんとメガワティ大統領の
ご主人、だそうでした。

で、パレンバンで、州の見本市が開かれるということで、今朝は大統領
も出席して式典が開かれたようです。

パレンバンは、太平洋戦争のときに、たしか日本軍の落下傘部隊が
降下して石油基地を押さえた、というような記憶があります。戦争の話
はほとんど出ませんでしたが。

インドネシアは、全部で30近い州があって、ジャカルタに続いて5つの
大都市があるのですが(スラバヤ、ジョクジャカルタ、メダンなど)、パレ
ンバンはその六大都市よりは一つランクが下の、地方中核都市といっ
た感じです。人口がたしか200万ほど。市内の感じは、一緒に行った、
ジャカルタ在住のインドネシア人によると、10年か15年前のジャカルタ
を思い起こさせる、というように、発展が一回り遅れているようです。

たしかに、市内で最高級のホテルに泊まったのですが、一泊の料金
が5千円ほど、ちゃんとお湯の出るお風呂もエアコンもありますが、でも
20年前ぐらいのもので、エアコンでいえばリモコンもなく、ほとんど効か
ない感じで、ジャカルタなどの冷えすぎのホテルよりははるかに人間的
でした。寝ようとしたら、ブーンと蚊がやってきたので、すぐ電話して、
殺虫剤を捲いてもらったのですが、これもガスの入ったスプレーでは
なくて、日本ではたぶんもう見なくなった、手押しの「噴霧器」で、
シューシュー散布してくれました。

中央統計局の州事務所を訪問して、日本からパソコンを提供する
(ローンで)プロジェクトの効果の評価をしようというのが訪問の趣旨
でした。97年、6年前に設置されたパソコンは、さすがにいまの水準
には辛くて、使われてはいましたが、ヘビーな利用は別の、新品に
置き換えられ、より簡単な作業用にシフトされているようでした。

食事も、パレンバン流ということで、魚を主体にしたものをいただき
ましたが、われわれには、ジャバなどの普通のインドネシア料理と、あ
まり違いはわからない気がしました。

帰りに、道路がひどく渋滞して、空港に到着してみたら、なんとわれ
われが乗る予定のジャカルタ行きの便は、定刻より30分先に出発
してしまったということで、乗り遅れ。メガワティ大統領が空港に向かって
いたので、道路がストップされたおかげでの渋滞、そして、大統領
がその便に乗るということで、30分繰り上げられてしまったようなのです。

幸い、「大統領とも関係ある日本人だ」と交渉してくれたことが奏効
したらしく、なんとか次の便に乗れて、ジャカルタに無事戻れました。

6時にジャカルタ空港に到着し、7時過ぎに市内の鉄道の駅に移動し、
「ほっかほっか弁当」のレストランで、すき焼定食のようなものを食べ、
8時半発の列車で、またまたバンドンに向かっているところです。
11時過ぎにバンドン着の予定。明日は朝8時半から調査、早々に
切り上げて、車でジャカルタへ3時間余り。
2時から通信省でのアポがあるという強行軍なのです。

気温は30度を超えて、蒸し暑く、冷房がないと、けっこう辛く感じます。
しかし、冷房が効きすぎるのも辛い、というのが、東南アジアの特徴
です。マレーシアに3年間いたおかげで、ずいぶん慣れたし、簡単
な上着を用意して対処するなどの知恵もついたのですが、それでも
楽ではないですね。幸い、元気ですが。

ということで、長くなりましたが、ジャカルタ、パレンバン、バンドンの
移動の様子など、ご紹介しました。スマトラの北、アチェの軍事作戦
も続いているようで、ジャカルタでも一応テロの警戒もされています。

ホテルや主なビルに入るときは、入り口で荷物検査をされます。
簡単な金属探知機で。SARSは国際空港の入国ゲートぐらいで、あと
はほとんど意識されていないようです。ポスターだけはありますが。

会津 泉

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Date: Tue, 17 Jun 2003 02:51:24 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00312] 位置情報サービスについての質問です

以前日本にいて、WIREDの初期の頃に記事を書いていたジャーナリストの
ボブ・ジョンストン氏(現在メルボルン在住)から、以下の質問が来ていて、
皆さんの意見をぜひ知りたいというのです。

それは、日本で、なぜ位置情報サービスが人気があるのか、というものです。
MIT Technology Review に記事を書くそうです。

よろしければ、お答えをください。できれば英語がうれしいのですが、日本語
でもかまいません。

会津 泉

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Date: Fri, 20 Jun 2003 21:58:04 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00317] Re: ご挨拶

藤田さん、

長い間、ご苦労さまでした。

とくに、マレーシアのMSCの立ち上げのときにはご尽力
されたわけですが、そこに私がまさか住むことになるとは、、。
その節は、ずいぶんお世話になりました。

アドレス、さっそく変更いたしました。

『スマートモブズ(Smart Mobs)』を翻訳しているのですが、
これからは、無線の世界がいっそう大きな意味をもってくる
と思っています。

ドコモも、その役割がますます重要になられると思います。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

会津 泉

At 14:32 03/06/19 +0900, Fujita Satoshi wrote:
>会津 泉様、iznews参加の皆々様
>
>
>私、NTTコミュニケ−ションズで 常務取締役
>グロ−バルサ−ビス事業部長をしております
>藤田 聰と申します。
>
>会津さんのご好意で、このiznewsのリストに加えて頂き、
>もう6年以上になると思います。
>
>大変申し訳ないことに、今までは全く受身のSilent Participant
>でございました。
>この度、下記のご挨拶状のとおり、NTTコムを退職し、
>ドコモの常勤監査役に就任する予定です。
>今後は私も受身ばかりでなく、発信もさせて頂きたいと存じます。
>
>会津様, E-mail アドレスの変更をお願い申し上げます。
>
>
>               ご挨拶
>
>謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
>平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
>
>さて、私儀このたびNTTコミュニケ-ションズ株式会社 
>常務取締役(グロ-バルサ-ビス事業部長)を退任し、6月19日付けで
>株式会社ドコモ 常勤監査役に就任する予定となりました。
>
>平成8年のNTT国際部以来、法人営業本部第四営業部、
>NTT国際ネットワ-ク株式会社、NTTコミュニケ-ションズ株式会社
>グロ-バルサ-ビス事業部等、通算7年間、
>グロ-バル事業を担当させて頂きましたが、この間皆様より格別のご指導
>ご厚誼を賜りましたことに対し、心から厚く御礼申し上げます。
>微力ではございますが新たな気持ちで新職務に最善を尽くす所存でございますので、
>変わらぬ御指導とご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
>
>                                    謹白
>
>NTTコミュニケーションズ株式会社
>常務取締役
>グロ−バルサ−ビス事業部長
>藤田  聰
>
>
>追伸:6月19日以降の連絡先は以下のとおりです。
>
>(新勤務先) 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パ-クタワ-
>        株式会社NTTドコモ
>        03-5156-1241(TEL)
>        fujitasa@nttdocomo.co.jp

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Date: Fri, 20 Jun 2003 21:59:24 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00318] Re: 位置情報サービスについて

半澤さん、大野さん、

さっそくのお返事、ありがとうございます。要約して、本人に
伝えるようにします。

会津 泉

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Date: Sun, 22 Jun 2003 03:36:58 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00320] ICANN モントリオールへ

インドネシアから戻ってきて翌々日の昨日21日に成田を出ました。
いま、乗り継ぎで、ニューヨークのラガーディア空港にいます。
日本時間だと午前3時半すぎです。

インターネットの「ガバナンス」の実験と目されたICANNも、
1998年に創設されてから、はやくも丸5年になろうとしています。

私が最初にこの問題に触れたのは、96年、INETのモントリオール
での会議のときでした。それからだともう、丸7年にもなるのですね。
いやはや。

この間、「一般会員」制度と役員の選出方法を中心に、さまざま
な問題が噴出し、揺れてきましたが、その揺れも、ある意味では
だいぶ収まりつつあります。今回は、選挙ではなく「指名委員会」
によって役員も選出されました。

私は「一般会員助言委員会」に選ばれ、今回はその仕事を中
心に来ました。費用もICANNから出ます。一般会員の組織を地域
に根ざしたものとしてつくるという課題があるのですが、正直、
ほとんど手がつけられていない段階です。まだこれから長い道が
あるのですが、少々くたびれてきたな、というのが、実感です。

ともあれ、明日から始まる議論に参加しながら、次をどうしようか
考えなければと思っています。

会津 泉

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Date: Fri, 27 Jun 2003 21:28:11 +0900
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews 00324] from New York

モントリオールでのICANN会議は昨日終了して、夕べここ
ニューヨークに移動してきました。明日の朝便で帰国の予定です。

モントリオールもここも、猛暑です。昼間は35度とか、、夜でもたぶん
外は30度ぐらい、エアコンをつけても、あまり効かないので(NYは
安宿にしたこともあり)、日本の熱帯夜とほぼ同じです。

今回のICANN会議は、一連の「改革」の仕上げといってもよく、
難航していた、世界中の国別ドメイン管理組織の連合体と、ICANN
との契約関係がほぼまとまったのです。Presidentも、改革を提唱
したスチュワート・リンの後任に、前の政府諮問委員会のチェア、
オーストラリアのポール・トゥーミイ氏が就任し、新体制が始まり
つつあります。

わたしは、AtLarge Advisory Committee (ALAC)といって、
設立以前からもめてきた、一般会員に開かれた組織にする、
という問題に、相変わらずかかわっています。ALACが出した
地域別組織の設立などの案も、原案とおりで役員会で通りました。

これを受けて、今後、アジア、ヨーロッパなどの地域組織の立ち上げ
という、とっても難しい課題が待っています。

実際には、ALACそのものも、ボランティアがほとんどで、一人
ICANNの予算でスタッフがついていますが、その進め方には
??も多く、途中で、軌道修正をしてもらうために、すこしだけ
発言をしました。終わってから、「有志」で次の作戦を考えたり。

まったくのボランティアワークなので、時間を割ける人間がほと
んどいなくて、辛い仕事です。

WSISでも、ICANNを政府同士の国際組織に変えるべきだという
宣言案が用意されていて、その変更のための「ロビー活動」も
必要と思われるし・・・。7月中旬のパリでの会議が議論の場です。

というわけで、暑い夏は続きそうです。ヤンキースの松井でも
見てきたいところですが、ぜんぜん無理ですね。

会津 泉

 

 

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