iznewsハイライト December 2001

Date: Mon, 10 Dec 2001 17:10:13 +0900 (JST)
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews] from Bangkok airport

バンコクの空港のターミナル内のトランジットホテル(「デイルーム」というのです
が)にいます。

8日の夕方6時に出て、明朝8時前のフライトでカンボジアのプノンペンに移動
します。カンボジアでは、IT事情と文字フォント問題などの調査をする予定です。
 窓の外はまさに空港ターミナル、夜中でも出発到着などの案内のアナウンス
の声が聞こえてきます。

これで今年の海外出張は「打ち止め」です。G8のDOTフォースに加わり、また
ICANNのAtLarge Member(一般会員)制度の見直し問題のチームに加わった
ことで、ずいぶん出張が増えました。

でも、一昨日から湘南国際村と慶應藤沢で開かれた、日経デジタルコア主催の
「合宿討論」に参加して感じたのですが、まだまだ「途上国とIT」という問題は、
「途上国の問題」という枠組みでの議論が多く、「先進国を含めた全体の問題」
ではないというのが一般の受け止め方だと思えます。

 うまく言えないのですが、グローバルシステム全体がどの方向に進むのか、そ
のなかで日本はどうしていくのかということを考えるときに、途上国を含めた経済、
社会、そしてITシステムというのは、不可欠必然の課題であると考えなければい
けないのではと思うのですが、でも多くの場合、議論は自然に先進国クラブで
先にして、後から「後進国」もそれに含まれる、という形で進むように思います。

「後進国」という言葉はいまではほぼタブーになっていますが、でも実態はあまり
変わっていないのに、言葉だけ使い換えるというのも不自然といえば不自然ですね。
とまれ、カンボジアの状況について、また向こうから書こうと思います。

会津 泉

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Date: Mon, 10 Dec 2001 17:11:33 +0900 (JST)
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews] プノンペンからです

昨日朝、プノンペンに到着しました。
町は相当復興していると思います。でも貧しいことは明らかです。
ホテルは部屋までイーサネットが来ているのです。で、1泊25ドル、
まあまあ広い部屋で。でも、設定の都合で、ウェブは見えるのですが、
メールがうまくいきません。

 昨日が日曜、今日も「人権の日」で休みのため、技術者がいなくて
よくわからないのです。で、ローカルの電話のローミングでなんとか
つないだところです。これも接続したりしなかったり。。。

午前中、カンボジアの文字コードの件での会議をしてきました。
なかなか難しい問題なのです。一度決められた国際規格が現地の
人の相談はなしに決め、内容にも問題あり・・・。

明日は、日本大使館、通信省などに行きます。
また書きます。

会津 泉

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Date: Tue, 11 Dec 2001 10:31:07 +0900 (JST)
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews] Re: [iznews] カンボジア

間野さん、間があいてすみません。
プノンペンのホテル、自分の部屋のイーサネットからメールも楽に
つながるようになりました。日本の多くのホテルより進んでいる・・・。

>(Reply to を、 adminにしてるのはなんか理由があるのですか?)

自動返信だと、私宛の私信が間違ってリストに流れることが頻発
するためです。

今日、そのMPTCの人にも会います。それと、プロバイダーは
実はもう1つあります。 Open Forum という、NGOが運営して
いる最初のISPですが、政府がIP接続を認めず、ユーザーは
Eメールしか使えません。「袖の下」を払えば認めるようなので
すが、主催者のノーバート・クライン氏はそれはしないというの
で、長い間、メールだけなのです。今回は彼がわれわれの
ホスト役をしてくださっています。

Mobitelと固定無線でつながっているという話をよく聞きます。
まだあまり事情はわかっていませんが、たしかに市内は活気があり
ますね。

昨日の夕方は、かのキリングフィールドの一つに行ってきました。
国中に多数ある虐殺の現場、野原にただの穴がたくさん掘ってある
だけですが。そこから発掘された頭蓋骨が、卒塔婆に収納されて
います。ガラス張りで展示してあり、そのガラス戸も一部が開いて
いました。

見学していると、周りを5人から10人くらいの子供たちの取り囲まれ、
お金をせびられます。

会津 泉

>カンボジアですが、現在あるISPは、以下の3つで、それぞれが
>下記にあるような専用線で、外国に直接インターネット接続しています。
>
>つまり、IXは、国内にないです。
>また、CAMNETは、MPTC(いわゆる郵政省)が直営しています。
>
>ブノンペン市内は、物資も豊富だし、インターネットカフェが花盛りで、
>VoIPでの国際電話とかのサービスもしていますね。
>まだ、現地通貨の流通もままならず、民法もないので、規制そのものが
>無い状況(規制しずらい)のようです。
>
>今回、僕はMPTCのビルともうひとつの局舎に無線ルータを設置して、
>セミナを実施してきましたが、おそらくカンボジア初の高速専用線接続でしょう。
>(笑)
>
>1.CAMNET
>バックボーン→シンガポールに512K、バンコクに2Mと512K
>合計3本
>
>2.BIGPOND
>バックボーン→オーストラリアに1.5M
>合計1本
>
>3.MOBITEL
>バックボーン→バンコクに2M、香港に2M
>合計3本
>
>
>ユーザーからISPへの接続はダイアルアップ。
>ADSLは整備されていないようです。
>
>Hiroshi Mano 

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Date: Thu, 13 Dec 2001 00:36:24 +0900 (JST)
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews] プノンペンより 12月12日(長文失礼)

日曜日の朝到着したので、もう丸4日が過ぎ、明日いっぱいでここプノンペン
滞在は終わり、明後日朝、バンコクに移動します。

こちらのホストはすでに書いたように、ノーバート・クラインさん、ドイツ人で
90年5月、教会関係のNGOとして二年契約で来たのに、もう10年以上の
滞在になり、当初の農業関係の支援から、いまはカンボジアについての
ニュースを英語とクメール語でまとめてニューズレターを発行するのと、カン
ボジア最初のインターネット接続を実現して、メールサービスだけのISPと
いう仕事の2つが本業です。彼に毎日べったりお世話になって、「調査」
をしています。

この調査は、11月のデジタルオポチュニティ・フォーラムと一環の、総務省
よりの委託調査の一部なのです。カンボジアの文字コード標準化問題、
ITおよびインターネットの普及状況などが主なテーマです。

ISPは一応3社ですが、ユーザー数もまだ数千人レベル。それでも市内
には、いわゆるインターネット・カフェが目立っていて、50軒以上あるよ
うです。国際接続が国営電話事業の独占、国内専用線も高く、それが
主なボトルネック(の一つ)であるのは明らかです。日本のインターネット
の初期の頃と非常に近い問題に感じられます。

文字コード問題は、すこし専門的になるのですが、大雑把にまとめると
ISOとユニコード・コンソーシアムとで、カンボジア人の代表がまったく参加
しないままにクメール文字の標準案を決定してしまったという手続き問題が
一つ。

 それから、決定された案がカンボジア人の自然な感覚からはほど遠く、
不要な文字があったり、(サブスクリプトも含め)必要な文字がなかったりで、
カンボジア人には受入難い内容であるという、内容上の問題が一つ。

 さらに後者の決定を解決する新コード体系と、それを生かした新入力シ
ステムが、日本の外務省の委託プロジェクトを基に、東大の原田さんがカ
ンボジア人の専門家などと協力して開発して、後から提案し、一度決めた
標準の変更を提案しているということがもう一つの問題です。

 国際標準といのは、一度決定したら原則変更は認めないというのが、ISO
の方針です。韓国文字は入れ換えたという事例があるのですが、それは
あくまで例外で、たとえカンボジアの代表が決定に関与してなくても、一度
決めたら絶対に変更は認められないというのが、いまのISOの委員会の公式
見解です。これにはカンボジア政府は公式に抗議文書を送っています。
ISOからは反論の文書が来て、再反論の文書も送られています。

またeASEANも、同様の文書をISOに送ってますが、こちらは返事がなく無視
されています。主に技術者/専門家からなるISOの委員会は、「政治」の介入
は極度に嫌うようで、チェアマンは「私の感情を逆撫でするような提案は認めない」
とまで発言したようです。

 政府の担当者は相当悩んでいたのですが、さきほどクラインさんの自宅
(なぜかブルガリア大使館の施設内にあります)での非公式のパーティーに
来て、「国際規格にならなくても、さきにカンボジアの国内規格でまとめる
ことにしようと決意した」と言われました。リスクは大きいのですが、それでも
原則を曲げることはできない、と。

 王立大学で、インターネットの訓練コースをやろうとしているけど、毎月77ドル
の64kの専用回線の費用が出てこない、という話を午後聞いて、相談もしてみ
ました。年間10万円が大学でも出せないのです。政府のIT政策、郵政省が
電話事業も直轄しているという問題、政権内部の腐敗構造など、知識人、
技術者の絶対数の不足などなど、問題点は山積しています。

 昨日は大使館で、小川大使以下にも、とくの文字の問題などでお会いして
DOTフォースも含めて、ぜひ協力をしていただけないかとお願いしました。
 日本からJICAの専門家が派遣されて通信政策についての助言をしている
田村さんにもお会いしました。郵政省のインターネットの担当者にも会って
きました。

小宮さん、クラインさんに伝えておきました。ちゃんと覚えていらっしゃいました。
で、このリストに参加されているメディアの方にぜひお願いです。
カンボジアのIT、インターネットの状況、厳しい現実について、ぜひ直接取材・報
道をしてください。(その場合には、よろしければまず私に連絡してみてください、
多少状況の説明が必要と思いますので)。

その他、個人のツアーも、ぜひどうぞ。もう安全上はまったく問題ないようです。
(地雷原に勝手に行かない限り)。雄大なメコン河、アンコールの遺跡、国立
博物館と見所は沢山あります。(われわれはアンコールはあきらめましたが)。
今日は市内にある、ポルポト時代に刑務所=虐殺現場、S21にも行って来まし
た。現在のカンボジアについて理解する上で、そして20世紀の歴史、あるいは
人間って何と考える上でも、貴重な場所です。

 正確な数はわからないものの、国民の10分の1以上が虐殺されたという社会
システムの徹底破壊は、ただただ言葉が出てこない惨劇です。なぜ自民族を
ここまで虐殺できたのか、なぜその後も内戦が続いたのか、こういう悲劇を繰り
返さないための国際社会としての教訓はなにか、、、、。

 市内は、国際機関や国際NGOの展示場のようなものです。それでもUNTAC
が解散してから、外国人の数はだいぶ減ったようですが。

 去年の東ティモール、今回のカンボジアと、いわゆる「ポストコンフリクト」の
状況にどうインターネットが貢献できるのか、宿題が増えています。
 アフガニスタンも、間もなく、似たような状況が始まると思います。
ということで、考えさせられるばかりの旅です。気候は日本のほぼ真夏。
でも夕方は多少涼しいのだそうです。乾季で雨はまずありません。道路工事
の土煙が絶えない市内。でも、このホテルは部屋にイーサネットがあるので、
その点はとても快適です。エアコンもあるし、シャワーもあるし、サービスも熱心
だし。

テレビは、衛星からで、NHKの国際放送、CNNはもちろん、中国、タイ、
イタリア、フランスと、重複も含めて70ch、いままでももっとも数の多い一つ
です。たぶんライセンス料を払っていない海賊版と思われますが。

インターネット・マガジンの連載の原稿もやっと送りました。他に飛び込みもあり。
それと、DOTフォースで2回、ICANNで1回と、3夜連続の電話会議。どこに
いても変わりのない忙しさ、おかげで元気にしています。

会津 泉

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Date: Thu, 27 Dec 2001 11:37:11 +0900 (JST)
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews] 新年にむかって

プノンペンからバンコク経由で日本に戻ってきてから、もう10日以上たったのですが、
静かに?していました。

というか、まず、ラップトップが、プノンペンのホテルでLANの設定を変更したせいか、
まったくネットにつながらなくなり、往生しました。Windowsマシンです。で、その前か
ら調子が悪かったので、予備?に、マックのiBOOKを確保していたのですが、それ
に切り替え、、というのもやや面倒でした。

 さらに、メインのデスクトップマシンも、WindowsMEのOSの調子がどうにも悪く、これ
も再インストールしました。データをバックアップしたり、戻したり、アプリケーシ
ョンも全部再インストールとなり、てなことをしていると、メールも、必要最小限しかできず
にいました。いやはや、ですね。

カンボジアの文字コード問題では、CICC兼谷さんからご指摘もいただき、せっかくな
ので、直接お会いして教えていただき、今後についてぜひご協力、ご相談をとお願い
してきました。詳しい事実経過は、まだ私にはよくわかっていないところもあるのです
が、冬休みの宿題=レポートにします。これは、総務省さんからの委託の仕事でもあ
り、またDOTフォースへのレポートも約束しているのです。しかし、とっても複雑な経過
があり、また解決も容易には見つかりそうにありません。

そろそろ、仕事納め、帰省された皆さんもいらっしゃるのでしょうね。恒例となっている
新年のワイワイワインパーティーですが、今年は1月11日(金)、連休前を予定して
おります。詳しいことは年明けにご案内しますが、もし予定に入れられる、という方は
どうぞ入れてください。

あと一仕事で、2001年も暮れますね。
年賀メールの準備をしないと、でもその前に書かなければいけない原稿もたまって
いるし・・・。

会津 泉

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Date: Mon, 31 Dec 2001 23:49:29 +0900 (JST)
From: Izumi AIZU
Subject: [iznews] Welcoming the New Year

まもなく、新年が来ようとしています。皆様はどう過ごされているでしょうか?
帰省された方の多くは、メールは年明けの休暇が終わってオフィスに来られ
るまで、お読みにならないと思いますので、この一文もそのときまで、お預け
でしょうか。 ご自宅で年越しの方でも、メールは開かないという方もきっと
多いのでは、と思います。

激動の一年が終わろうとしています。私は部屋の片付けもままならず、溜ま
っている仕事を片付けようとしているだけで、あっという間に大晦日も終わる
ことになって、少々焦り気味です。じたばたしても仕方ない、と思っています。
このiznewsも、たしか、マレーシアに出かける前の96年に始めたので、満
5年がたったようです。いまは、600名ほどの方が登録されています。半分
は、私からの近況報告を、残り半分は、メンバーの皆さん同士の交流の場
を、という趣旨そのものは変えていないつもりです。

過ぎし年での強い衝撃といえば、やはりNYで迎えた同時テロでしょうか。
それと、今月に訪問したプノンペン、カンボジアの虐殺の痕跡が、30年近く
の歳月に埋もれながら、まだ傷跡が残っていることは考えさせられること
でした。

来年はどういう年になるのでしょう。どうか明るい希望に満ちた年になって
ほしい、いやそうしなければ、と思ってます。個人的には、1952年生まれなの
で、いよいよ50の大台にのるようです。まだ実感はないのですが。

もう一つだけ個人的なことを足せば、日本と韓国で共催されるサッカーのワ
ールドカップ、楽しみです。98年にはフランスで観戦することができましたが、
ことしはどうなるやら。なんとかして切符を入手して、6月は事実上の夏休み
にできないかなあ、などと夢想もしています。

ともあれ、皆様にも、どうぞ夢と実りの多い一年が来ますように。
そして、今後も変わらないおつき合い、ご指導、ご協力のほど、よろしくお願
いします。

2001年12月31日
会津 泉

 

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