from KL [iznewsハイライト]  March 1999



会津 泉

(アジアネットワーク研究所/クアラルンプール)



Date: 03.04 11:22 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 908] ICANNとAPRICOT

シンガポールです。

日曜から水曜まで、ICANNの会議でびっしり、でした。インターネットのドメインネームなどを管理する新しい国際組織が昨年10月に「仮発足」し、以来正式の体制へと移行するための準備・議論が文字通りグローバルに進められていて、今回はAPRICOTの主催者から「招待」した形で、ICANNの正式の役員会および関連する各種委員会、オープン会議などが同時にいくつも開かれたのです。

私は、12月に「メンバーシップ・アドバイサリー委員会」に選ばれて、今回は役員会への提案のまとめのために、まず2日間、10数名で理念から実際のルールまで、 ずっと討議に加わってきました。インド、タイ、ガーナ、ブラジル、メキシコ、ドイ ツ、フランス、アメリカ、オーストラリアといった面々です。
どのような「会員組織」にするのか、資格は、会費は、選挙方法は、などなど、 理念、価値観、いろいろな要素が絡まって、ブレーンストーミングとしてはなかなか 面白い、しかし負荷の高い議論でした。

で、昨日はAPRICOTの全体会とICANNのオープン会議が共存し、その司会をした りしてました。

インターネットの発展では、欧米とアジアを含む途上国とのギャップは依然かなり あり、とくに最近のアメリカでの勢いは、そのギャップをさらに拡大したとみて間違いないと思います。「グローバルな管理組織」も、実質欧米主導になる傾向があり、それをどうやってバランスのとれたものにすればいいのかが、私の委員会での主な 関心でした。

でも、様々な実態を知らない欧米の人には、なかなかピンと来ないのです。抽象的 な理念ではたとえ一致しても、「フェア」ということの実質は、全然違うのですね。 それで、実質どのようなルールにするか、というところが分かれてきます。

会費ひとつとっても、我々は、「ゼロ」を主張し、彼らは「最低コスト分」といいま す。実際には、1000人で20ドル(コストは10ドル)とすれば、2万ドルにしかならず、ICANNという組織の全体の予算からみればたぶん100分の1位の問題なので すが、それでも「理念」が大事ですから、議論は簡単には決着しません。知の ゲーム、といえば楽しめますが、缶詰になっての議論ですからくたびれます。

その後、夜は「Y2Kとインターネット」というテーマでのBoF(自発的集まり)を 主催しました。アメリカのFCCのY2Kプロジェクトチームのロバート・キャノン氏を招待して、人数こそ20名ほどでこじんまりしてましたが、意義あるセッションとなりました。

ICANNでも、インターネットのルートサーバー(世界に13しかない)のY2K対応を 進めることが委員会で正式に決まって(村井さんが委員長)、一歩前進でした。

ということで、やっと一息ついたというのが実感です。これから明後日のAPIA の年次総会へとシフトします。 やれやれ。。。

2月の13日から始まった、連続出張も、3つめとなり(米国・大分・シンガポール)日曜に最後のレグ、宮崎へと移動します。

会津 泉


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Date: 03.06 10:29 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 912] APRICOTが終わりました

シンガポールでの一週間、ARPICOTとICANNの並行会議がようやく終わりました。いまはKLの空港、これから成田に夜間飛行です。

明日午後、今度はAPEC TEL という会議で、宮崎に向かいます。

いろんな起伏があったのですが、とりあえず、APRICOTは事前の 予想を越えた成功になったといっていいと思います。

Y2Kについても、すこし前進したし。

詳しくはまた書きます。

会津 泉


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Date: 03.14 0:28 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject: [iznews 919] 長旅の終わりに

ちょうど一ヶ月前、2月13日から始まった、4週連続の出張が、ようやく 終わりを迎えました。いまは成田の出発ラウンジです。いろいろありました。 帰ったらすぐ整理しないと。

水曜日に、APECの宮崎会議から東京に戻り、木曜は我が社のお客様 を訪ね、研究報告。金曜は、郵政省、通産省、GLOCOMとまわって、イ ンターネットとY2Kについての取り組みの現状報告とご支援要請、夕方 は、日経新聞の世界情報サミットの打ち上げパーティーだけ顔を出し、 ここでもインターネットとY2Kについて、何人かの方にご説明、お願いを してきました。

身内のことですが、昨日は、母方の祖母の告別式。
明治生まれで、100才まで生きたのですから、幸せな大往生でした。
来られる方もお年寄りが多く、寒かったら困ると思っていたのですが 幸い思った程には寒くならず、なんとか無事に終えました。
昨日で子供の入試もひとまず終了、やれやれ、というところです。

また一週間後には、日本に来ます。今度は大分とマレーシアとの 「サイバービジネス交流」で、大分でのシンポジウムです。

その間に、報告書書きやら原稿書きやら、会社の決算やらもあります。 なんだかんだと忙しくしていられるのも、ありがたいことですが、日本の 不況の影響は、ひしひしと感じられ、今年は小さなANRという会社も、 非常に苦しい一年となりそうなのです。気を締めなおしていかないと大変 なことになるな、と思う日が続きます。

あと5分でボーディングです、公衆電話から、これをアップしないと・・・。

会津 泉

追伸

ここの常連メンバーからの出版が2つありました。

一つは東京とラッシュの山口裕美さん。
「Tokyo Trash web the book」という、とても凝った本です。
美術出版社、2200円。彼女の処女作ですので、ぜひお祝いを。
たしか、今日からデンマークです。

もう一つは公文先生。
NTT出版から、「緊急提言 コンピューター2000年問題」
950円。

必読書です。ぜひどうぞ。


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Date: 03.19 9:48 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 924] Re: Mail addressの変更について

半田さん、ご無沙汰しています。

しばらくお会いしなうちに、着々と政策が形になって現れてきていますね。
Y2Kの取組みでも、日本の自治体としては相当先行している、と聞いています。

私自身は、インターネットに限ってのY2K対策に関心の中心を置いていますが、 そのあたりは、どんな対策がされているか、よろしければお聞かせください。

一般には「問題ない」といわれるのですが、そう簡単ではないようです。


アドレスは変更しておきます。

会津 泉


At 09:13 1999/03/19 +0900, Kenji Handa wrote:
> iznewsの皆様へ
>
> 茨城県庁の半田です。
> iznewsに参加させていただいているおかげで、様々な分野の動きをいち早く知る
> ことができ、皆様に深く感謝申し上げる次第です。
>
> さて、茨城県では、建設中でありました新県庁舎がまもなく開庁し、移転の運び
> となりました。


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Date: 03.21 1:06 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 926] マレーシアMSCとインターネット検閲問題、近況など

KLでの静かな?一週間が過ぎていきました。

月曜夜にまた日本に飛んで、大分でのマレーシアと大分との 「サイバービジネス交流」シンポジウム開催の裏方をします。
JETRO主催の「LL(ローカル・ツー・ローカル」交流」事業に 大分県から応募して選定されたもので、昨年12月に、まず 大分側から視察団が来馬し、今度はその反対に、マレーシア から、コンピューター産業協会(PIKOM)の専務理事と会員 企業2社、そしてMSCを推進するMDC(マルチメディア開発公社) の代表が来る、という仕掛けです。

木曜が一日シンポジウムと交流、金曜も別府の視察とコアラ メンバーとの交流と、目いっぱいの日程です。

KLは、先週発売の『ビジネスウィーク(国際版)』が表紙で大きく、 「マレーシアのMSC計画はマハティールの愚行で、うまくいって いない」と取り上げ、大特集を組んだことから、これに反論する 政府側の動きがあって、ちょっとした騒ぎになっていました。

記事そのものについては、オンラインで以下をご覧ください。

http://www.businessweek.com/globalbiz/asia.htm

に、アーカイブされてあるはずです。

記事そのものは、7割の事実に3割の主観、という印象で、最初から MSCは失敗だという印象を与える、かなりセンセーショナルな意図が ある(いつものビジネスウィークのトーンですが)ため、あまり公正な ものには読めません。

皮肉なことに、この記事の「副産物」として、インターネットの検閲問題 が後退したようです。

まず、オスマンMDC会長が火曜日の記者会見で「インターネットは 検閲しない」とマハティール首相が指示した、と発表し、その後、昨 日は、レオ・モギーマルチメディア大臣が、「ウェブで情報発信する組 織に対しては、4月施行のマルチメディア通信法に規定されていた免 許制は適用しない。インターネットは検閲・規制しない」と確認したと 新聞に出ていました。

実は昨年後半から、インターネット・カフェの利用者を登録制にする とか、インターネットでの情報発信を監視するといった一連の動きが あり、4月に施行される新マルチメディア通信法でも、インターネット の情報発信への免許制が実施されるのではという動きに、業界な どから強い反対の声があがっていたのです。

その意味では、皮肉なことに、この記事は副作用としては、前向きの 役割を果たしたといえるのでしょう。

会津 泉


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Date: 03.21 1:25 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 927] 本のご紹介

また2冊、このリストのメンバーから本が出ましたのでご紹介します。
(送って頂き、ありがとうございます)。

1つは、石井由香さんの力作(博士論文です)。

『エスニック関係と人の国際移動 現代マレーシアの華人の選択』 国際書院 国際社会学叢書 2800円

マレーシアの経済政策の基本である、ブミプトラ政策(一般には マレー系住民優遇策)の下で、華人が教育・労働という人生の 基本的コースをにどのように選択するか(せざるをえないか)の、 分析です。

私自身がまだ読んでいないので、詳しい紹介はできませんが(スミマセン) なかなか興味深い本です。石井さんは、来年大分に開設される立命館 アジア太平洋大学の一員として、この4月から京都の立命館で開学準備 にあたられる、と聞いています。


もう1つは翻訳です。

『エレクトロニック・ビレッジ』
アンドリュー・M・コヒル、アンドレア・L・カバノー 編著
公文俊平/CANフォーラム 訳
くまざさ社発行 博美館出版発売 2000円

アメリカの地域ネットワークとして先進的なバージニア州ブラックスバーグ のBlacksburg Electronic Village のケーススタディで、当事者が書いたもの です。コヒル氏は、一昨年、ハイパーネットワーク別府湾会議のゲストとし て招き、それがきっかけとなって、この本の翻訳出版につながったものです。

www.bev.net そして、www.can.or.jp  をぜひごらんください。


会津 泉


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Date: 03.22 9:51 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject: [iznews 931] Happy99ウィルス

今年の中国新年のときに出現した、Happy99という悪質なウィルスが、 もしかすると、誤ってこのリストにも送られたかもしれません。
通常は、メールの添付ファイルに入っていますので、すぐにチェックして みてください。もし見つかったら、必ず削除してください。
絶対にダブルクリックはしないように。

他人から送られてきたのを気が付かないと、自動的に、次のメール送信 の際に、さらに送られていくようです。私も気をつけていたのですが、先週 受け取っていました。たぶん、週末に書いたメールで一緒に送られてしま ったと思います。

いまも、またやってきました。

どうぞご注意ください。

会津 泉


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Date: 03.26 10:59 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 944] マレーシアと大分との交流

ある人に「デラシネ」と書かれてしまったのですが、たしかに、一昨日から大分 に来て、マレーシアと大分との「サイバービジネス交流」のイベントを推進して きました。

JETROのローカル・ツー・ローカル交流事業、に応募して、大分県、ハイパーネ ットワーク社会研究所が協力し、マレーシアのIT、インターネット関連の産業と、 大分の産業とを交流しようというのが主旨でした。

マレーシア側から、MSCを推進するMDCのカナン部長をはじめコンピューター 産業協会の専務理事、企業3社の代表に来ていただき、大分側とのシンポジ ウム、立命館アジア太平洋大学の準備チーム訪問、別府のホテル、関連産業 との交流会、コアラメンバーとの交流パーティーと、2日間、忙しい日程を無事 にこなしたところです。

実際に実を結ぶためには、まだまだ努力が必要だと思いますが、きっかけづ くりとしては意義があったと思っています。マレーシア側は、市民ユーザーが、 活発に、みんなが対等に活動するコアラの様子に強い印象を抱いたようです。 (その分、行政が受け身にまわりがち、という問題点があるのですが)。

別府では、温泉に入ったり日本旅館を訪ねたり、と「観光」もしてきました。

明後日夜、KLに戻ります。

会津 泉


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Date: 03.28 0:22 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 945] 桜の花とY2K

桜が咲き始めた途端に冷たい雨の洗礼を受けてしまったようですが、 でも春がやってきたことには変わらないですね。

今回も慌ただしい数日があっという間に過ぎ、大分から昨日朝東京に 戻り、いまは成田、もうじきKLに戻ります。

インターネットがY2K問題に対応できるのか、というのが、当面の私の 最大関心事であり、仕事でもあります。

4月は、22-23日にシンガポールでAPECY2Kウィークという政府・産業界 のイベントがあり、そのシンポジウムで、インターネットをテーマの一つに 取り上げてもらうよう働きかけ、なんとか実現しそうです。といっても、15 分間のスピーチの枠一つを確保した、というだけのことなのですが。

APIA(アジア太平洋インターネット協会)として、このイベントはもちろん、 6月頃に、できればアジアをまわる「キャラバン」を起こして、社会的な 問題意識のアピールと、具体的な技術上の対策の進め方についての ワークショップを開きたいと思っています。そこで、先立つものは、「資金」 なのです。ざっと1000万から2000万円ほどあれば、相当のことができる はずです。でも、それを集めるのが至難の技、なのです。

4月27日には、東京で日本インターネット協会主催による緊急シンポジウム が開かれる予定です。公文先生が基調講演。ベンダーなどの報告も予定 されています。

たまたま、箱崎から成田へのバスのなかで、前に東京12チャネルで、 深夜にインターネットをめぐる大討論番組を行ったときのサーバーなどの 面倒を全部みてくれた、木村さんとバッタリ会ったのです。彼によれば、 UNIX、BSDも、カーネルレベルでトラブルが起きる可能性は充分あって、 ヤバイ、とか。古いバージョンがとくに問題のようです。

これは、また、テレビの生番組を仕掛けないといけないかな、と思って います。

というわけで、このリストのメンバーの皆さんから、積極的にインターネットの Y2K問題のキャンペーンに加わろう、という方を募集します。日本でもタスク フォースが必要だと思っています。


そろそろ搭乗口に向かいます。

会津 泉


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