from KL [iznewsハイライト]  November 1998



会津 泉

(アジアネットワーク研究所/クアラルンプール)



Date: 11.01 2:08 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject: [iznews 734] シンガポールへのバスの旅

ふと思いついて、シンガポールまで路線バスを使ってみました。所要時間は だいたい5時間と聞いていました。全部で400km位ですから、そんなもので しょう。

ラグビーのW杯、今夜が予選の最終試合で、日本が香港に勝つか引き分け れば、本大会の出場が決まるというので、応援に駆けつけようというものです。 土曜で休みだし、試合が夜なので、時間は十分あるし、1度乗ってみたかっ たのでトライすることにしたものです。

まず、KL市内の長距離バスターミナル、プドラヤステーションに行きます。地 下が発着場、2階が切符売り場と売店がごちゃごちゃと列んでいます。薄暗 いなかに各社の小さな窓口が横にずらっとつながり、それぞれにジョホール とかペナンといった行き先と発車時間が雑然と描いてあります。しばらく歩い てシンガポール行きの、すぐ発車しそうな売り場を見つけて、切符を買おう とならんだら、突然真っ暗。停電です。でも2、3分で復旧。無事に買えました。 心配な人は、前日とかにも買えます。

「VIP」というバスですから、さぞ高級で、値段もいくらするかなと思ったら、こ れがなんと23リンギ。いまは1リンギが大体31円ですから、たった約700円。 KL市内から新国際空港までが、タクシーで1時間、片道50リンギ近くします から、その半値でシンガポールまで行けるというわけです。鉄道の少ないマ レーシアでは、長距離バスが国民の足なのです。運行するバス会社も多数 あります。

切符を渡されるときに、「シェル・ステーション」と言ってたので、なんだろうと 聞き返したら、地下のプラットフォームからではなく、外のシェルのガソリンス タンドから出るのだそうです。おやおや。歩道橋をわたると、あります。スタン ドが。でもどこで待つのか、よくわかりません。だんだん時間が近づいてきて、 よく見るとどうやら数名、客らしき人がいるので、一緒に待ちます。

きました。渡された切符に書いてある番号が、ナンバープレートの番号と同じ。

社内は、椅子が3列。進行左側が一人がけで、反対は二人並び。自由席で、 空いていそうなので、二人がけを占領。問題なし。シートそのものはかなりゆ ったり、リクライニングの角度も深く、フットレストもあって、品質は飛行機のビジ ネスクラスほどとまではいきませんが、スペースは、まあ十分で、夜行でもまず 寝られるでしょう。車内は、マレーシアとしては普通。ピカピカではありません が贅沢は言えません、なんせ23リンギですから。

定刻になっても、動く様子なし。車掌らしき若者ともう一人のおっさんが、運 転手と延々とお喋りです。10分以上して、やっと動き出したかと思うと、また すぐストップ。お喋り。さらに10分。業を煮やした女性が、「何しているの?」 と急かしても、「まあ待って」。道路の車の列が切れるのを待っているというの ですが、全然そうは見えません。

ようやく動き出したのは、定刻から30分以上過ぎてから。理由はわからず。 行き先のアナウンスも何もなし。

この辺がまさにマレーシア流なのです。仕事で急いでいるような人は、最初 からバスには乗らないこと、です。

でも、無事に出発進行。南北ハイウェーに出て、順調に走ります。途中で、 一回トイレ休憩。といっても、一人が運転手に頼んだから。

前に5歳位の男の子を連れた夫婦、あとはほとんど単身者。老若男女さまざ ま。全部で12、3人。ヨーロッパ系のバックパッカ−が一人。

乗り心地は、残念ながらあまりよくはありません。道路の表面がかなり波打っ ていて、その振動と車体の振動が共振する感じなのです。キーボードを打 つのも最初はちょっと無理でした(これは昼休憩時とその後の、すこし良く なった走行中に打ったものです)。

3時間ほど走って、ふと気がつくとバスは高速道路を降ります。1時を過ぎて いるので、昼食休憩かなと思うのですが、最前部の一人(運転手の知り合い だった感じ)をそこら辺で下ろすと、また走り出します。別の高速の入り口が 見えたので、ここから戻るのかと思ったら、入らず、一般道をどんどん走るの です。ジョホールまでまだ100kmもあるところなので、「高速料金を節約する つもりか」と勘ぐったほど。

20分ほどして、ようやくスピードダウン。そう、食堂に入ります。運転手に、子 供が寄ってきて、親しそうにしています。なんだか彼の故郷の町のように思 えます。出発時間の案内など、なにもなし。テキトウなのです。

トイレを済まして、食事。屋台風に、マレー風、中華風がならび、適当に頼ん で会計。ご飯とおかずで5リンギ、あんまり安くはないのです。(KLでも、3リ ンギ程度の品物でしたから)。

30分ほどで、また出発。お客がそろったのか、確認をしている様子もなし。 今度も、最前部に見なれない女性がいます。よく見ると正規の座席ではなさ そうなところに横向きに座っているようです。よくわかりませんが、これも運転手 の「副業」かもしれません。このバスは一応「ノンストップ」なのですから。

振り出した雨のなか、さっき通りすぎた高速の入り口に戻って、バスは一路 シンガポールへ。道路状態も、すこしだけよくなりました。道は、週末でもかな り空いています。もともとがそうですし、いまは不景気でますます空いている ようです。

(ここでバッテリーが切れて、中断しました)。後は夜、ホテルでの追い書き です)。

ジョホール市内に入り、だいぶ走って、長距離バスステーションに到着。ここ で3時半ですから、出発からすでに5時間。で、すぐに出るかと思いきや、な んだか様子が違います。運転手が携帯電話でなにやら話しています。と、 いつのまにか、お客がみんな外に出ていきます。近くの客に「何?」と聞い ても要領をえず。でも、だれもいなくなりそうなので、仕方なく荷物をまとめて 一緒に出ます。と、すぐ前のバスに乗り移るのです。故障なのか、何なのか。 こちらのバスはほぼ満席。最後部になんとか席を見つけました。もしかする と、最初のバスが10人少々でガラガラなので、経費節減で2台合算したのか もしれません。会社名は全然違うのです。これも説明なし。ちょっと汚くなり、 さっきの子供が後ろの席にまわり、椅子=私の背中をごんごん叩いたり、か と思うと、突然頭を触られたり。長旅で小さな子供が退屈するのも無理ない のですが。

市内を30分ほど走ると、急に減速・停車。渋滞です。国境=海にかかる橋 まで、あとどの位か、見当がつかないのですが、1分待って10m進むという 具合。これだと、シンガポールのホテルで5時半に待ち合わせをしているの に、最悪間に合いません。国境の通関のゲートに並ぶ車、週末でシンガポ ールからの買物(両国の物価の差がかなりあるのです)帰りの車による渋滞 なのでしょう。ここで1時間かかると、ちょっとピンチです。いろいろ計算しま す。

幸い、30分ほどで、渋滞を抜け、いよいよゲートへ。まずマレーシア側での 出国手続き。10月始めから施行された、為替制限で、持込・持出現金の申 告書を書いて、パスポートと一緒に出します。問題なし。続いて橋を渡って 今度はシンガポール側の入国手続き。ゲートがちょっとわからなかったりし て、相当時間をロスしました。歩いていくと、さっきのバスが待っている、、、 待っているはずなのですが、いません。時間がかかりすぎたから、待たない で発車したのか、と一瞬嫌な予感。でも、歩いていくと一番前にいました。 まだ戻っていない人もすこしいるようで、やれ安心。

ここからは、シンガポール市内へ20分。ホテルまでタクシーで10分。到着 したら、すでに、約束していたJ社のMさんが、ロビーにいました。定刻の 3分前に、やっとこ到着。5時42分。正味7時間以上の旅が、無事終わりま した。

で、ラグビーのW杯予選は、もちろん日本の圧勝。47対7。前半が21点。 後半が26点。でも、出足は3分から快調にほぼ5分おきに得点を重ねた のですが、15分過ぎからは、スローダウン。それでも、香港側も、キックが ほとんど有効に蹴れず、得点の可能性が全然見えないまま。これは、も しかすると、国際試合では珍しい完封勝ちかと思った最後の最後に、と うとうトライを許し、ゴールも成功、となった瞬間にノーサイドの笛。

 あの1年前の、サッカーのW杯の予選最終試合、対イラン戦は、ここか ら戻ったジョホールバルのラーキンスタジアムで、延長の死闘だったので すが、さすがにあのときに緊張や興奮は、まったくありませんでした。
 観客も、日本人が8割以上でしたが、それでも全部で3000人くらい。 一方的な内容に、静かなものでした。途中で交代した、あの小兵の堀越 が退場するときが、いちばん拍手が沸いたように思えました。

ということで、バス旅の報告でした。

会津 泉



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.02 9:09 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
[iznews 735] [FWD] 神戸市木村課長の訃報

突然の訃報です。まさか、と思います。

木村さんには、震災後のネットワークについてのシンポジウムで、 呼んでいただいたときから、ずいぶんお世話になりました。
96年の9月、スマートバレーの会議のときに、神戸市を推薦して、 自らシリコンバレーに来られました。

月並みですが、行動力、バイタリティの固まりのような方でした。

謹んでご冥福をお祈りします。

会津 泉


=======================

Date: Mon, 2 Nov 98 09:00:35 +0900
Posted: 2 Nov 1998 09:01:00 +0900
From: "倉谷光一"
Subject: [can-member:00235] 神戸市木村課長の訃報

神戸インターネット協議会始め、種々の活動で、神戸地域の 情報化に尽力頂いた木村課長に対して、敬意を表する為、 敢えて、CANメールをお送りいたします。

10月31日早朝、登山中に足を踏み外し、滑落死。
本日 19時より 通夜
3日 10時より 葬儀
詳細情報を希望の方は、当方迄お問い合わせ下さい。



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.02 5:01 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject: [iznews 737] 神戸市木村課長の訃報(詳細)

NTT神戸の大滝さんから、詳報が入りましたので転送します。

しかし、信じられないし、本当に残念なことですね。

「どうして、、」と思わず言いたくなります。

シリコンバレーでも、関西弁丸出しの、ぜんぜん無茶苦茶なエーゴで、 平気で喋っておられました。ギョロ目で、遠慮のない人で。


会津 泉

Date: Mon, 02 Nov 1998 12:12:07 +0900
From: OOTAKi
To: izumi@anr.org
Subject: 神戸市木村課長の訃報(詳細)

大滝@CANNOW!担当です。

木村様に心からご冥福、お悔やみ申し上げます。

神戸市・木村課長(神戸マルチメディア・インターネット協議会事務局長) のお通夜、葬儀の日時が決まりましたのでお知らせします。

●お通夜
 日時:11月2日(月)19時〜
 場所:平安祭典 西神会館
     神戸市西区美賀多台9丁目2−1
     三宮から神戸市営地下鉄、終点・西神中央駅下車、徒歩3分
     TEL.078-992-3242
●葬儀
 日時:11月3日(火)11時〜12時
 場所:同上

********************
11月1日付 神戸新聞 朝刊

神戸市課長滑落し死亡-------三重大杉谷
三十一日午前八時半頃、三重県宮川村の大杉谷の登山道から神戸市須磨区 北落合、神戸市マルチメディア推進課長木村義秀さん(50)が約四十五メ ートル下の谷に滑落した。通報を受けた大台署と宮川村役場などで付近を 捜索。同日午後二時ごろ谷底で木村さんを発見したが背中などを強く打ち 死亡していた。
調べでは、木村さんは三十日朝、登山仲間の友人と二人で神戸市を出発し 、同日夜は通報のあった山小屋に宿泊。三十一日早朝に山小屋を出発後、 登山道で足を滑らせ転落したらしい。
木村さんは、高度情報化社会に向け神戸市が目指す「神戸国際マルチメデ ィア文化都市(KIMEC)構想」の中心メンバー。震災復興のなかでも、情 報をキーワードにした新しい文化・産業のまちづくりを精力的に推進して いた。
***********************
http://www.asahi.com/flash/fnational.html#fnational_269

神戸市職員、三重の渓谷で遭難死

31日午前10時ごろ、三重県宮川村大杉の大杉渓谷登山道の桃の木小屋 に、登山者から男性1人が谷に落ちたと連絡があった。県の防災ヘリが出 動し、この男性を同村内の病院に収容したが、脊椎(せきつい)損傷で既 に死亡していた。

大台署の調べによると、死亡したのは神戸市須磨区北落合の神戸市職員木 村義秀さん(50)。桃の木小屋からふもとの第三発電所方向2.3キロ の地点で足を滑らせ、約45メートル下の沢に滑落した。

木村さんは30日に自宅を出発。同僚と2人で奈良県境の大台ケ原山頂か ら入山後、桃の木小屋に宿泊し、31日は第三発電所に下山する途中だっ た。

大杉渓谷では25日にも愛知県の男女2人が谷底に転落、死亡する事故が あり、31日は同村の登山センターで「安全登山セミナー」を開催、事故 防止を呼び掛けた矢先だった。(時事)


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.03 1:12 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 738] アンワル裁判開始

今日から、アンワル前副首相の裁判が始まりました。

たまたま、用事で市内に出て、独立広場の前の連邦高等裁判所の 前を車で通りがかって、群集や報道陣、そして警備の機動隊が大勢 いたので、「あ、そうか」と思ったのでした。

期待?されたデモや衝突は全然起きなかったようです。ま、ライフルな どで重装備した警官隊が各所を押さえているのですから、反体制側は あえて不利な運動を起こすとは思えませんでしたが。

肝心の裁判の内容は、テレビのニュースを見てもあまりよく伝わってき ませんでしたが、外国の人権団体(ヒューマンライツ・ウォッチ、アムネ スティなど)の要求した「監視」はもちろん拒否。また、弁護側からの、 適用された法律自体が、いずれ廃止される予定のものであるから、起 訴そのものが無効であるとの主張も、判事が拒否したようです。

これからむこう2週間くらい、検察の起訴状朗読、弁護側の陳述、証人の 証言などの手続きが続くようです。APECサミットの間は休憩されるようで すが。

「司法の独立」がマレーシアに本当にあるのか、という点は議論になって います。もっともアメリカでも日本でも、同様の議論はありますん。 最高裁の判事の構成とか。

一般の国民は、半分は息を呑み、半分は我関せず、なのでしょう。

会津 泉


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.04 4:10 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject: [iznews 740] 音で聞ける 情報文明論講義 [Real Audio]

私も知ってはいましたが、実際に聞いたことはなかったのですが、 GLOCOMでは、Internet Auditorium として、Real Audio で 研究会や講演会などの内容をインターネットで流しています。

いま、公文所長の「情報文明論」の講義シリーズを聞いてみているところ です。ここクアラルンプールからでも、まったく問題なく聞くことができます。

よろしければ、ぜひお試しください。時間のあるときに、じっくり聞くことが できます。 市内電話料金だけで聞けるのですから、海外などからだと よけい付加価値を感じます。

URLは、

www.glocom.ac.jp/arc/auditorium/index.html

で、いくつかのプログラムが選択できます。

質問は、メールで出すことができるでしょう・・・。

参考文献は、『情報文明論』 NTT出版です。

ところで、このリアルオーディオのデータを、そのまま手元に録音することって できたんでしたっけ? たぶん駄目だと思うけど。


会津 泉


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.06 0:03 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 744] 公文先生、マレーシアへ

宣伝?で恐縮ですが・・・・。とりあえず、第一報です。

ANRのSenior Advisor でもある、グローコムの公文俊平所長が、11月末から、 マレーシアに来られることになりました。

いわゆるIPネットワークを中心とした世界の最新の流れと、その社会的な意味、 日本とアジアの課題などを話していただく予定で、講演を2回お願いしています。
お近くの方、ぜひいらしてください。遠くの方には、追って内容をご報告します。

1)12月1日14時30分〜  CEO Roundtable

テーマ: Age of Stupid Network

NITC(マレーシアIT評議会)、PIKOM(マレーシアコンピューター産業協会) MDC(マルチメディア開発公社)、そしてANRの共催です。

会場:Hotel Eastin (入場料:RM200 PIKOM会員:RM150)

レオ・モギー、新マルチメディア大臣も参加されます。新しい「マルチメディア 融合」の体制、政策などについて、Q&Aで取り上げたいと思っています。

これは、全部英語の予定です。


2)12月2日15時〜 特別講演会

「グローバル情報通信の最新事情と日本・アジアの課題」

JETROクアラルンプール事務所 ANR 共催。

後援:マレーシア日本人商工会議所JACTIM(予定) NTT MSC 

会場:Hotel Eastin (入場無料)

こちらは日本語のみです。

ご関心のある方、詳しい情報。申込書などお送りします。

会津 泉


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.09 2:09 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 747] Re: 聞きたい事

だいぶ遅れてのお返事ですみません。

出張のときは、モジュラージャックで、だいたいなんとかなっています。 他の方も書かれたと思いますが、電話機の方のコードをはずせば、 たいていは大丈夫で、よほどでないと、壁のコードを抜くことはない ですね。

フランスで、どちらも固定されていて往生したことがありました。 で、どうしたかというと、フロントに行って、事情を話して、FAXの 回線を借りたのです。ローミングに入って、市内通話、あるいは 近郊の都市にアクセスポイントをもっていれば、OKしてもらえる 可能性が高いのですね。

本当は、ワニ口クリップを持っていって、受話器の話口のカバーを はずして、コード線に直接接続するという手もあります。昔はやったこと もありますが、最近はしません。

GSMの携帯電話に、カードをつけて、パソコンにつなぐのが、いちばん 汎用性は高いと思うのですが、(日本・米国の多くは駄目ですが)、でも まだたしか9600bpsだと思うので、スピードが問題ですね。

アンワル裁判、新聞に詳しいやりとりが出ています。最初の証人は、 どうも信憑性が落ちたみたいですね。アンワルがニコニコしている ようでした。首相に対して「アンワルへの中傷文書は根拠がない、 背後に政治的陰謀があるようだ」と書いた手紙を出し、そのコピーが 検察側からの証拠として法廷に提出され、弁護側が感謝するという 一幕もあったようです。

その証人によれば、中傷文書を書いたとされるのは、アンワルの秘書の妹と、そ の運転手で、秘書夫妻の態度が横柄だというのがその原因だというのです。 しかし、本当にそうなのでしょうか・・・。

まだまだこれから先がどうなるか、わかりませんが。
いろいろ「新事実」などが出るのでしょうか。真相は、やはり闇の中、 のような気がします。

背後のグループとして、現大蔵大臣ら、現職の政治家、その夫人などの 名前が取り沙汰されています。検察側は証人として、首相を含む50名 ほどの名簿を出しています。最初の証人だけで4日使ったわけですから、 この調子で全員の証言をするとなると・・・・いつまでかかるのでしょうか。

ずっと熱心に報道していた、CNBCテレビも、昨日、今日の報道は、なぜかきわめて 大雑把です。法廷のやりとりの中身を全然伝えていません。

ちょっと理解できません。

会津 泉


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.13 8:09 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 755] 成田から ICANN会議を前に

今年おそらく最後の、アメリカ出張になります(今年は5月、7月、9月と続い て、これで4回目になります)。

昨夜KLを出て、いまは成田のラウンジです。11時の便でニューヨーク経由、 ボストンに行きます。

今回は、インターネットの、ドメインネーム・IPアドレス問題を管理する新組織、 ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers )=アイキャン と呼んでいます)のオープン・ミーティングに参加することと、その直前に、 アスペン研究所による、インターネット・ポリシーについての、非公開の会議 に参加するのが目的です(こちらが先で、ワシントンで開かれるはずだったの が、ICANNの会議と重なったので、直前に場所を変更したのです)。

たった2泊して、日本に来週戻ってきますが。

インターネットのドメインネーム問題では、9月末までに新組織の基礎をつくれ という米国政府の要請で、民間主導でいろいろ動いてきました。

その一部は、ここにもご報告したし、ANRのホームページにものせてあります。 (日本インターネット協会の会報に書いた記事です)。それは、9月末までの 動向だったのですが、その後もいろいろ動いています。

なんといっても、この問題の最大の当事者でもある、ジョン・ポステル氏が急死 したことが、大きなショックでした。インターネットがいまのように誰でも簡単に (といっていいでしょう)使えるようになった根幹で、ジョンが果した貢献は非常 に大きなものがあるのです。白髪にひげとジーンズ、いかにも、西海岸の、イン ターネットのエンジニア、という風貌で、直接話すと、とてもソフトなあたりの人で した。7月のジュネーブでのINETの際に、あのITUから、彼の長年の貢献に対し てシルバーメダルが授与され、ようやく既存の組織からも「認知」されたのです。 死因は心臓手術の後遺症だったやに聞いています。

 しかし、ドメインネーム問題では、彼と彼の組織であるIANAに対して、執拗な 非難・批判が続いていました。たしかに、先駆者が世の中に認められるというの は簡単なことではないし、IANAの動き方にも、状況の変化に対して、一徹すぎ るのでは、というように見えてきました。もう一回り、柔軟というか、風通しをよく、 従来のインターネット・コミュニティの外側にリーチする姿勢があれば、IANAも ずいぶん違った受け取られ方をされたのに、と思えます。

とまれ、IANAの後継組織としてICANNがつくられ、米国政府が、新しく、ドメイン ネーム等の国際管理組織として認知するために、ICANNが、ICANNを批判す る他の団体とよく話し合い、その主張も入れた規約をつくることを求めているの です。そこで開催されるのが、今度のボストン会議です。 争点は、組織全体の「公開・透明性」、会員組織のありかた、責任の所在、意思 決定の方法、などです。

その直後には、メキシコのモントレーで、ICANNを構成する組織となるはずの、 DNSOという、別の組織の会合が予定されています。これは、国・地域別のドメイ ンネームの管理組織などの集まりが中心です。

12月には、ヨーロッパでまた会議があるようです。アジアでも、1月から3月の間 にICANN主催での会議を開こうという話があります。3月だと、シンガポールで APRICOTという、アジアのインターネットの関係者が大集合する会議があるの です。また準備が大変なのですが。

アスペンの会議は、「非公開」なのですが、もともとインターネットのポリシー関連 の研究をしようというプロジェクトがあり、そのなかで、「アドバイサリー」を集めて インフォーマルな議論をしよう、という趣旨でした。しかし、ICANNの暫定会長で あるエスター・ダイソン、同社長となったマイケル・ロバーツをはじめ、IANA批判 の急先鋒でもある、元インターネット協会専務理事のトニー・ルツコフスキーなど 「当事者」がかなり集まるので、どういう議論になるか、楽しみでもあり、心配でも あり・・・。アスペン研究所に対しても、周りからは「パワーブローカーになるつも りか」という疑念があるようです。

しかも、会場は、ハーバードのロースクール、ここも、IFWPという、一連の会議の 終末をつけるはずの会議を呼びかけて、結局キャンセルしたり、いろいろ議論の サカナにされたところです。

しかし、アスペンといい、ハーバード(のバークマン・センター)といい、研究組織 が、自主的に実際の問題の「調停」を買って出るところは、アメリカらしいといって しまえばそれまでですが、学ぶものがあると思います。激しい議論が続き、下手を すれば、非難の的にこそなれ、あまりメリットがあるとも思えないようなことに、自ら 積極的に入っていく、わけです。

日本でいうとどうでしょう。たとえば、NTTの分割問題について、どこかの研究所 が当事者をみんな招いて、解決案について丁丁発止議論する、ということは、 まず考えられませんね。今回の金融システム問題では、どうでしょうか・・・。

ま、インターネットだから、なのかもしれませんが。

というわけで、私も議論に参加してきます。アジアの地域として、何を主張するの か、難しいところなのですが。日本からは、高橋徹、日本インターネット協会会長 が、ボストンとモントレーの両方に参加されると聞いています。

(お役所からは、どうされるのかなあ? 企業はだれか来られるのかなあ?)

また、報告します。

会津 泉


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.18 6:45 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject[iznews 759] アジアの情報化研究と「象牙の塔」 『日経マルチメディア』 アジア通信 連載17

『日経マルチメディア』に連載してる、アジア通信 17の原稿です。 今回は珍しく、これまでに3名、読まれた方から反応がありました。
いずれも、CyAsiaメーリングリストに入れてほしいというものです。
会津 泉(大阪から神戸に新幹線で移動中、です)。


アジアの情報化研究と「象牙の塔」

前回「マレーシアのインターネットの利用者は約30万人、人口比で2%にも満たない」 と書いたが、その後インターネットの関係者と話したら、マレーシアでは一つのIDを2、 3人で共有することが多く、「実数」では70万人位が妥当ではと言われた。日本では 一人で2、3個IDをもつのも珍しくないが、アジアでは1つのIDを複数の人間でシェア することがたしかによくある。経済的な負担を減らすための「生活の知恵」だ。そういえ ば、私が幼い頃は、近所の人に使ってもらう「呼び出し電話」が普通だったから、似た ようなものだ。  さてマレーシアに住んで1年半ほどになるが、お客がよく来る。「アジアの経済発展」 と情報化の動向に関心があり、一度調べに行くので話を聞きたい」というのが典型だ。 気がついてみると、来られるのは圧倒的に学生・若手が多く、「教授」はまだ一人もお 見えになっていない。民間シンクタンクの研究者も多い。学生の場合、紹介者もとくに なくホームページを見ての飛び込みもある。

 実は今年6月から(財)アジア経済研究所が「アジアの情報化構想と新経済発展」と いう研究会を始め、私も加わっているのだが、ここにも大学教授はいない。アジアを対 象に研究する社会系の研究者は少なくないはずだが、伝統的な経済学、農業、ある いは文化人類学などを専門とする教授はいても、「情報化」は最近の現象なので専攻 する人は皆無に近いのだろう。ある大学院生の話では、博士論文のテーマを「アジア の情報化政策とインターネットの役割」にしようとしたら、担当教官に「マスメディア」を 対象にするようにと指導されたという。自分が教えられないからというのが理由なのだ ろう。こうして若い好奇心が潰される。

 マレーシアやシンガポールなどの政府指導者は、経済発展に情報化の推進は不 可欠だと認識し、本気で情報化プロジェクトを推進している。この動きは隣国のフィリ ピンやインドネシア、ベトナムなどに強い影響を与えた。中国やインドも含めアジアの ほとんどの国には、情報技術の発展で欧米先進国がますます栄え、自分たちは取り 残されるという危機感が強い。台湾や香港は、情報関連産業が頑張って経済危機の 打撃を和らげている。

 こうしたアジア社会の現実の関心事を、日本の経済学者が積極的に取り上げて研究 しているという話は聞こえてこない。ホームページに論文も見ない。日本に限らず、アジ ア各国の伝統的な学者でこうしたホットな話題をストレートに研究テーマにする人は少な い。わずかにアメリカの若手に少しいる位だろう。「象牙の塔」は健在のようだ(違ってい たらお許しを)。

 そこで、「アジアの情報社会」をテーマに「CyberAsia」というメーリングリストを開設し、 アジア諸国のなかでも日本はとくに情報化投資に及び腰だ、といった議論を始めたとこ ろだ。まだそう活発ではないが、40名ほどの人が加わった。若手研究者は多いが大学 教授はごく少数だ。きっかけは、クアラルンプールに訪ねて来られた石井由香さんとい う、津田塾大学の若手研究者が始めた「Ethnic and Migration Studies in Japan (EMSJ) というEメールの「電子かわら版」だった。マレーシアの教育政策について専攻する彼女 と色々話しているうちにヒントが湧いたのだ。若手、女性の研究者の方が元気が良い。 これらのリストに参加したい方は、とりあえず私宛(izumi@anr.org)にメールをいただけれ ば幸いだ。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.28 11:58 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 765] 公文先生、来馬です

公文先生が、今夜8時前にKLIA(新空港)に無事到着されました。 少々風邪気味なので、ちょっと心配ですが。

いまは、マレーシアが誇るMSC(マルチメディア・スーパー・コリドール) の中心部、プランテーションの奥深く、サイバージャヤにあるホテル、 サイバービューロッジに泊まっています。

部屋は非常に立派なのですが、最新のICカードが故障したりで、部屋を 2度も変えたのです。アラームが止まらなくなったり。やれやれです。

その前に、サテ―(マレー風焼き鳥)、ナシゴレン(焼き飯)をおかずにビールを 飲んで、一服。

昼間は暑いけど、夜になると、風が涼しく感じられるので、だいぶ過ごしやすく はなっています。去年の今ごろは、夜もじっとり、べったり暑かったので。

明日は静養。明後日は、MDC訪問、そのあとマハティール首相と会見が セットされました。たった30分ですが。

その後、火、水曜と連続セミナー。忙しい日程です。

では、また報告します。

会津 泉


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Date: 11.30 7:39 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 767] Kumon Trip in Malaysia

公文先生は、今日から「仕事」です。

朝9時、まずサイバージャヤのど真ん中にあるMDCのオフィスへ。 まずMSCの現状の概要について説明を受け、それから、先生の プレゼン。情報革命の中心に、IPネットへの流れがあることと、深刻 な問題になると予想されるY2K(2000年問題)について、です。

いま、MSC地域に導入しようとしているのは、従来の電話網の延長 でのATM交換機を中心にしたネットワークですが、先生の主張は これとはまったく違う、インターネット・プロトコル(IP)を中心とした、 新しいネットワークが米国から発して世界に広がろうとしている、その 新しいIPネットの構築が必要だというものです。質疑もこの点に集中 しました。

その後、駆け足で建設現場を視察。マルチメディア大学やNTTの 研究センターなどの工事中の状況を見て、昼食。

 午後は首相官邸にマハティール首相を訪問。こちらからの話の趣旨 は、午前と同じ、IPネットとY2K。首相の最初の質問は、「IPネットを 新しく作るとして、どのくらいコストがかかるのか?」でした。それへの 答えは、「旧来のシステムと比べれば1桁、2桁安くなる」というもの。  その後、様々な新しい通信・コンピューター技術の流れに触れ、MSC はそれらの実験場であるべきだという議論で、そのなかに、Y2Kフリーな ネットワークこそ、MSCが世界に向けて構築・宣伝すべきだという主張も ありました。

 首相は、風邪をひいて咳をしていて、あまり調子良くはありませんでし た。昨日、サバ州への2日の出張から帰ったばかりで疲れもあるのでし ょう。広い部屋に、飛行機の模型がずらっと並んでいるのが印象的でし た。

 その後、インターネットのプロバイダーで、研究所でもあるMIMOSへ。 そして、これからMDC主催のディナー。今日が一番日程が詰まっている のです。(これをアップできるのは、夜中になるはずですが)。

 心配された天気も、暑過ぎず、先生は風邪も悪化せず、元気に日程 をこなし、議論を続けた1日でした。

会津 泉





from KLメニューへもどる




[ ホーム ] [ 電子メール] [ アウト・プット ] [ 研究会 ] [ ANR リンク集 ]
Copyright(C) 1998 アジアネットワーク研究所