from KL [iznewsハイライト]  August 1998



会津 泉

(アジアネットワーク研究所/クアラルンプール)



Date: 08.05 7:57 AM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject: [iznews 622] 近況など

この一カ月半ほど、出張の連続で、KLにいることが少なく、自然、ここへ の書き込みも少なくなっていました。来週シンガポールで会議があり、そ れが終わると少し落ち着くかなと思っています。

このリストも、すこしづつ、新規参加の方、移動された方などの動きがあり ますね。よろしければ、自己紹介や近況報告をどうぞ。

で、私からも近況を報告してみます。ちょっと長くなるかもしれませんが。

マレーシアは、不在期間が多いので、あまり確かなことは言えないので すが、経済が良くないことは、ずいぶん感じます。昨日も久しぶりに市内 の金融街に行ったのですが、車の交通量がめっきり減り、銀行もあきら かに閑散としていました。通りに面した商店も、昼間からシャッターを閉じ ているところが、4、5軒に1軒と思えるくらい多く、不況で店じまいをした ところが多いのだと思いました。

新聞でも、連日のように経済政策について報道されていますが、どれも 明るい話題ではありません。日経新聞にも出ていましたが、政府は、景 気刺激策を打ち出すために、トラの子の財源である雇用基金(日本の厚 生年金のようなものでしょうか)に手をつけ、また国営石油会社に国債を 引き受けさせるという、背水の陣で臨んでいるといえます。

最近は、自動車ローンの貸出し制限が引き上げられました。完全に冷え 切っている車の売れ行きが、これで果たして上がるでしょうか。

公共事業も、思い切って復活させるみたいです。こうした策が奏効すれば いいのですが、日本と同様、工事にバラまいても、砂地に吸い込まれてし まう心配が強いのです。

マハティール首相も強気の発言を繰り返していますが、情報社会で経済・ 金融がボーダーレスになると、途上国などは、国際資本の自由な移動に 晒されて、きわめて弱い立場に置かれていると指摘しています。たしかに 一連の投機の動きは、少々の経済力の国家ではとても対抗できないの でしょうか。痛みを伴う構造転換が必要とはだれもがわかっていること ですが、どうやってそれが実現できるのか、手探りしかないようです。

幸い、気温はやや低めで夜などだいぶ涼しくなり、水不足も、時々雨が 降り、ひところほどには深刻ではないようです。

私は、6月にアジア太平洋インターネット協会(APIA)の事務局長になって 以来、その関係の仕事量が急に増えました。まだ弱小の団体のため、会 員を増やし、内容を充実させることが急務なのです。

そこに、いわゆるインターネットの「ガバナンス」問題が浮上し、国際的な 合意づくりのための活動にいつのまにかずっぷりかかわるようになりまし た。この問題を、当事者以外の人にうまく説明するのはけっこう難しいの ですが、単純にいえば、インターネットの爆発に伴って、インターネットの 運用管理の仕組を、従来の半非公式な形から、法的、制度的に、国際 合意に基づいたしっかりしたものに切り替えるための取組みです。

かつて「インターネットはだれも中央で管理していない」=「だからうまくい った」、あるいは「だから信用できない」と、よく言われました。実際には、 9桁の数字による番地アドレスと、anr.orgとか、coara.or.jp、ibm.comといった ドメインネーム、ネットワークの機能同士を相互につなぐ技術基準である (プロトコル)については、米国にあるIANAという南カリフォルニア大学の付 属機関と、さらにNSIという民間企業が、全体の統一管理窓口として機能し てきたわけです。背後に米国政府による「研究契約」の資金がありました。

それが、NSIが料金をとって利益が出始めたあたりから、「独占はけしから ん」という声があがり、「.com」の企業利用が登録商標の権利と衝突する事 件が頻発するようになったことで、全体の体制の見直しが必要となってきま した。

そこで、1996年くらいから、インターネットのコミュニティで、自発的な取組み が進められ、ITUなども参加して、激しい議論と検討の末、昨年5月には「協 定書」が成立し、新しい管理体制ができるかに見えました。

ところが、この合意に不満な人たちの強烈なロビー活動もあって、米国政府 がこれに「待った」をかけたのです。現在の契約の当事者なので、無視でき ません。今年1月、ホワイトハウスが「グリーンペーパー」という提案を出し、 これに対する国際的な反発・評価を受けて、6月に今度は「ホワイトペーパー」 を出し、基本的には国際的な「民間・中立・非営利組織」を新しく設立すること が提案されたのです。

これを評価した民間関係者によって「自主的な取組み」が動き始めたのです。 それがIFWPという臨時組織で、7月はじめにワシントンで、後半にはジュネー ブで、それぞれ2日間のワークショップを開き、テーマ別の分科会で「合意」 を探る侃侃諤諤の議論を続けてきました。

APIAはその「実行委員会」に参加し、私もそこに参加することになったのです。 毎週2回の電話会議、膨大な量のメーリングリストでの議論、情報交換、実際 の会議への参加、裏方の相談などなど、仕事が増えていきました。様々な思 惑、利害対立が渦巻くなかで、「合意」をつくるというのは、実にたいへんなこ とです。

ジュネーブでは、分科会のモデレーターを引き受け、激しい議論の渦中で立ち 往生したり、やれやれでした。でもとても良い勉強にはなりました。

そして今は、来週に迫ったシンガポールでの会議の準備です。まだ最終的議 事も確定していません。その提案・修正、資金集め、資料作成、などなどが溜 まっています。明日も日帰りで、シンガポールに準備作業の打合せに行ってき ます。資金がないので、ボランティア作業が多く、大変です。

いろいろな確執もあり、間違えると「訴訟」されることも考えられるので、保険 に入ることにしました。まじめな話です。

電話や郵便では、ITUなどの国際組織が確立し、政府機関と力のある事業者 などによって、長年積み上げてきた運用管理ができあがっているのですが、 インターネットはそうは行きません。利用の爆発に比例して、裏方作業に割か れる労力・資金は圧倒的に少ないし、事業者、利用者とも、あまり関心をもち ません。

それでもなぜか世界中で使えるのだから、不思議といえばこんな不思議なこ とはありません。ボランタリーな努力があったから、です。でもそれでは、もは や長続きしないことは明らかです。

米国政府はもとより、EU、オーストラリア、フランスなどは、かなり積極的に関 与し、それぞれの自国の民間の動きを「支援」しようとしているように見えます。 わが日本政府は、郵政省が研究会の結果を「報告書」にまとめ、英文版も出 しました。通産省もホワイトハウスと連絡はとっているようです。でも、シンガポ ール会議への参加をお願いしたら「関心は高いが予算がないから人は出せま せん」でした。プロバイダーも、メーカーも、ほとんど動きはありません。

日本インターネット協会の高橋会長など、一部の人は熱心に動き、日経コ ミュニケーションなどもよく記事にはしていますが、英語の問題もあり、議論に まともに参加している人はあまりいません。欧米主導ではまずいという意識で シンガポールの会議を動かしているのですが、なかなか辛いものがあります。 アジアの他の国も経済危機で、それどころでないというのが本音のようです。 それでも、韓国、タイなどはもちろん、パプアニューギニアからまで参加して きます。経済力などを考えれば、日本はもっともっと「戦略的」に動く必要があ るのにと、痛感しています。

長くなり、仕事をしなければならないので、続きはまた書きます。

会津 泉

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Date: 08.19 11:30 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 638] 新しいメーリングリスト?

いつもiznewsをご愛読・ご参加いただき感謝しています。

で、ずっと考えていたのですが、ここは比較的幅の広いコミュニケーションの 場で、あまり突っ込んだ議論や情報交換という性格ではありませんでした。 もちろん、それはそれで価値があるし、私の近況報告も一つの構成要素と 考えていますが、それとは別の目的・性格をもったメーリングリストが必要 ではないかと思って、ご相談してみる次第です。

端的にいえば、アジアの情報化をいうテーマを核として、関連する事項に ついての議論や情報交換という、より絞った目的でのリストを考えています。
最近、こうしたことを仕事上、あるいは研究上の課題とされている方が、 KLにいらしたり、あるいは日本のそれぞれの現場で関心をもっていらっしゃ る方にお会いしたりすることが増えています。
そこで、同じような問題関心をもつ方によるコミュニケーションの場をつく ってみてはと思ったのです。

準備にしばらく時間も必要ですが、それ以前に、このテーマで参加して みようという方がどの位いらっしゃるか、知りたくて、お伺いする次第です。 参加してみたい、という方、この場で、あるいはメールで直接私あてに、 お返事ください。ある程度の感触がつかめれば、スタートしたいと思います。
人数は小人数でもいいと思っています。しっかりした質の議論さえ確保 できれば。

どうぞご検討ください。

会津 泉


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Date: 08.21 6:30 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 646] 新メーリングリストについて

アジアと情報化をテーマにしたメーリングリストを新しく作るという件 について、早速10名を越える方から、参加のご希望をいただきました。 ありがとうございます。

そのなかに、このiznewsをそのまま使って、タイトルで使い分けるという 提案がありました。趣旨はよくわかりますが、実際には、現状でも自分に 興味のないメッセージがある、というコメントを頂くことが時々あります ので、あえて別に作ろうと思いました。

「多様なメンバー」は、たしかに貴重な財産なのですが、その分、皆さんの 関心も多様に分岐することは事実ですし、インターネットの利用度、利用環 境も様々ですから、ここは別にさせてください。
登録方法も、希望者がご自分でする、という方法を考えています。

で、その新リストのタイトルですが・・・「 CyberAsia」を考えてみました。いかがでしょうか? もっとよい案があれば、教えてください。
どこかで使われていないかな??とも思いますし。

なお、iznews の自動返信先の設定も、いまはリストそのものになっていま すが、個人宛メールがリストに間違って流されるケースが多いので、変更 を考えています。

いずれも、システム側の作業が必要になりますので、来週にはお知らせ できると思います。来週一週間、東京に出張しますので、その折りに 処理するつもりです。

それでは、よろしくどうぞ。

会津 泉


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Date: 08.22 7:10 PM
From: izumi@anr.org (Izumi Aizu)
Subject:[iznews 649] AP-IFWP 報告

皆様へ

私見ですが、シンガポールでのAP−IFWP会議についての私の感想などを まとめてみました。まだどこに発表するかは決めていません。

結果的には日本の政府・産業界の関心・かかわりの低さを強く批判した ものとなりました。3日間の議論とその準備にかかわって痛感したので した。

皆様には、とくに協賛金をくださったり、ご尽力、ご協力いただいている ことは十分承知しているので、失礼かもしれないのですが、全体としての 傾向に強く疑問を感じたことを、あえて率直に書いてみました。

どうぞあしからずお読みくださり、もしよろしければご批判、コメントな どを頂ければ幸いです。

なお、9月中旬に、ボストンで最終まとめ会議が開催される可能性が高いの です。ただし、まず招待者のみでの「起草会議」で内容を詰め、その上で 公開会議を開くことになりそうです。

今後ともよろしくお願いします。

会津 泉


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Date: 08.24 8:44 AM
From: Izumi Aizu
Subject:[iznews 651] Re: AP-IFWP 報告・感想

山崎さん、

さっそく、率直なご意見ありがとうございます。

説得力が足りないというご指摘は、言われてみればそうだなと 思いました。自分がかかわっていることは、つい大事だぞ、と 思いがちですが、他人はそうは思わない、ということは良くあ るし、今回のケースも、実際になぜどこが重要かということを 説明することそのものがけっこう苦労するというのが実感だか ら、です。この点については、あらためてまとめてみます。

で、「今はそれどころではない」というのは、おっしゃること は良くわかりますが、「ではいつになったら、それどころにな るの?」と聞きたくなります。

日本の場合には、「内」と「外」がきれいに分かれていて、「内」 の問題に忙しいときは「外」にはかかわらない、ということが許さ れる構造なんですね、きっと。少なくとも霞ヶ関の発想では。

でも、その構造を続けている限り、いつまでたっても、ニッポン 叩きは終わらないし、国際社会での日本の不毛なポジションが続 く気がします。

一般論としてではなく、具体的に今回のインターネットのガバナン ス問題に絞っていいますと、9月末までに国際的な新組織を非営利団 体としてつくるという目標に向けた、その意味では時間が限られた 問題です。

「いま忙しいから」などと言っていたら、ある意味では時間切れサヨ ナラ、なんです。もちろん、他にも緊急の課題があるから、それとの 優先順位の問題だ、ということなのでしょうが。

今週は、東京で、この種のギロンをして歩く予定なので、大変参考に なりました。

続きはまた書きます。

会津 泉


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Date: 08.26 0:25 AM
From: Izumi Aizu, izumi@anr.org
Subject: [iznews 654] 新リストについて

サイバーアジア(仮)の新リストについては、今週中にスタートしようと 思っています。参加表明くださった方、もうしばらくお待ちください。

ただし、ここiznewsとは違って、だれでも自分で自由に登録・解除できるよう にしようと思っています。(あまりカキまわされたら、変更しますが)。

用意ができ次第、あらためてご案内しますので、それにしたがって、登録 手続きをしてくださるようお願いいたします

東京も暑いですね・・・。一週間に3回も電話会議が入って、けっこう時間 をとられています。IFWPの最後のミーティングをどうするか、のギロンで。

関連して、NTT、KDDなど、日本の関連企業の人ともお会いしてみました。

で、やっぱり日本側のもっと積極的な関与は必要だと思いました。その論旨 展開は、また追って書きます。

会津 泉


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Date: 08.28 1:21 PM
From: Izumi Aizu, izumi@anr.org
Subject:[iznews 655] 新リスト「サイバーアジア」のご案内

すでにお知らせしたように、このiznewsから分かれて、新しく「サイバーアジア」 (略称=CyAsia)というメーリングリストを始めたいと思い、関心をお持ちの皆さん に、参加を呼びかけます。

具体的には、8月30日(月曜)のお昼12時から、始動する予定です。

このリストは、「アジアの情報社会」を中心テーマに、関連する事項につい ての議論や情報交換を目的にします。

・参加方法:
このリストは、iznewsと違い、オープン参加方式とします。つまり、上記の 趣旨に沿って希望される方なら、だれでも自由に参加できます。

具体的な参加登録は、以下の手順に沿って、ご自分で行なってください。

1) majordomo@anr.org 宛に、本文に

subscribe CyAsia

とのみ書いたメールを送る。

これで、リストへの登録が行なわれ、登録を確認する通知が送られてきます。

2)CyAsia@anr.org 宛に、簡単な自己紹介のメッセージを送る

これによって、参加している皆さんにどんな人が参加したかがわかります。

サブテーマとしては、とりあえず、おおざっぱに

・途上国の経済発展に情報技術の利用および情報技術産業が果たす役割
・情報化プロジェクト・政策(マレーシア、シンガポールなど)の現状評価
・日本のアジア社会における役割、とくに情報化に関連して
・アジア型の情報社会の発展特性(があるか?)
・欧米からの政治・経済・文化的な影響

などが考えられます。

私自身、97年4月にマレーシアに仕事と生活の拠点を移動して以来、これら のテーマを仕事上、あるいは研究上の課題とされている方とお会いすることが 増えました。そこで、共通の関心をもつ人同士の、分野・専門を超えた人間同 士の人的なネットワークづくりへを試みたいと思って、このリストを始めよう と思った次第です。

それでは、よろしくお願いします。

会津 泉


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Date: 08.31 1:22 PM
From: Izumi Aizu, izumi@anr.org
Subject:[iznews 656] サイバーアジア 開始しました

昨夜KLに戻ってきました。

さて、ご案内したように、本日「サイバーアジア」メーリングリストを 立ち上げました。すでに9名の方が登録されました。

<アジアの情報社会>がメインテーマです。参加を希望される方は、

1) majordomo@anr.org 宛に、本文に

subscribe CyAsia

とのみ書いたメールを送ってください。

これで、リストへの登録が行なわれ、登録を確認する通知が送られてきます。

どうぞよろしく。

会津 泉

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Date: 08.31 1:35 PM
From: Izumi Aizu, izumi@anr.org
Subject:[iznews 657] 【ご注意】自動返信先を変更しました

このiznews で、従来からよくトラブルになったのが、あるメッセージを 読んだ後で、それを書いた個人宛に出したつもりのメールが、リストの全 員にそのまま配信されてしまうことでした。

これは、自動返信の宛先がリストのアドレスそのものに設定されていた ためでした(ほとんどのメーリングリストはそうなっています)。

そこで、これを防ぐために、自動返信先の設定(Reply-To)を、以下のように 変更しました。

メールのヘッダー部分を見ていただくとわかりますが、

Reply-To: anr-admin@anr.org

つまり、リストの管理者宛のみに送られます。

これで「事故」は防げますが、その代わり、リスト全体にメッセージを 出すときは、宛先を、手動で iznews@anr.org と指定する必要があります。

面倒かもしれませんが、「事故防止」のためにとってみた措置です。

どうぞよろしくご理解ください。

会津 泉



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